リーディング ページ18
そんな酷いことを言っただろうかと思いつつもそういえば宙君にも用事があることを思い出した。
「宙君、ちょっといいかな…？」
「ん、ちょっと待っててな〜………はい、何でしょう？」
隅っこで大人しくゲームをしていた宙君はきっちりセーブしたのを確認して私の方に振り向いた。
「あの、頼んでたあれって…」
「あれな〜Aの言う通り黄色でした！でも元気が出る黄色じゃなくて、ちょっと眩しい感じな〜」
「そっか、やっぱり……ごめんね、急にこんなこと頼んで」
「HaHa〜お安い御用です！Aは宙の姉弟子なので！」
その言い方だと私が夏目の弟子みたいだからやめてくれない？
「違うのか？」
「違うよ………」
違う。なにもかも違う。そもそも私は夏目の弟子じゃないし魔法使いでもない。魔法も使えない。
「Aちゃん、宙くんに何か頼んでたんですか？」
「あ、はい、ちょっと……」
目を離した隙に宙君はもうゲームを再開していた。マイペースだなぁ。まあ宙君は数少ない私の心のヘヴンだから別にいいけど。
「黄色、ですか……何でしょうね？」
「あぁ、それは────………ぁっと……」
どうしよう、これ言っていいんだろうか。でも夏目が…………月見里さんも……でも……どうしよう……
「ねェ、A。ボクに隠してること───あるよね？」
悩んでいるとそんな声で、しかも全く目が笑ってない笑顔でそんな事を言われて背筋が凍る。
「…………ぁ、あ、るよ……」
「へェ、逃げなかったのは感心。じゃあ言ってみテ？」
「…………」
無言を否定と捉えたのか夏目はあからさまに不機嫌そうに顔を顰める。
「………A」
「あ、あのね夏目、別に夏目を信用してないんじゃないよ？でも……」
「でも、何？」
「…………」
ていうかなんでこんなシリアスな空気になってんの？いや、別に言いたくないってか本当に下らないことだから言いづらいだけなんだよ。
シリアスとか断じて違う。
「……帰ル」
そんな私の胸中など知ったことはないと夏目は鞄を持って出ていった。
「…………」
……上手くいかないなぁ。
多分イライラしてる。ちゃんと説明すれば夏目もわかってくれるはずなのに言えなかった。
だめだ、こんなんだから私はまだ───
「Aちゃん」
「つむぎ先輩………」
ちなみに宙君はいつの間にか帰ってた。本当にマイペース過ぎる。
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翔。(プロフ) - 好きです！！最高に面白いです！！エリートヒキニート最高！ (2019年1月20日 6時) (
レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります！ (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年4月7日 1時
