何でもない日2 ページ2
「なぁもっぺんやろ〜もっぺん〜」
「私そろそろ奥の部屋の掃除したいんだけど…」
「あ、ほんなら手伝うで！」
「じゃあそこの棚のダンボール下ろして欲しいんだけど……」
「任せてや〜」
「割れ物入ってるから気をつけてね」
みかくんが脚立に登ってダンボールを持った途端、
脚立の留め具が外れてバランスを崩した。
「おわっ！？あああAちゃん！！？どないしよおおおおお！！？」
「うっそでしょみかく──うわあああああ！！」
ダンボールが宙に浮く瞬間に中身のグラスの値段が頭に浮かんだ。
壊した金額は給料から天引きだ、これ1個壊しただけでも私2ヶ月ぐらいタダ働きになるんだけど…
そこからの私の判断は早かった。
まず多少筋を違えても構わない覚悟でダンボールを必死でキャッチ、落ちてくるみかくんを足で押さえつけてバランスを取ってからダンボールをゆっくり床に下ろした。
僅か2秒の出来事である。
「はぁ…し、死ぬかと思った……」
「ご、ごめんなぁAちゃん…」
「いや、ちゃんと留め具ロックしてなかった私が悪いから……」
「でも乗る前に気ぃつかんかった俺が──」
まあどっちが悪いとか言及するのもナンセンスだよね。
「まあとにかく……店長には内緒にしとこう」
「やな」
店長に見られてたら『危なかったじゃ済まないだろう』とかなんとか地獄もびっくりの説教コースが待っている。
「まあお師さん見てへんし元に戻しとったらバレへんやろ──」
「僕がなんだって？」
「Oh……tentyou…」
「んあ…お、お師さん……いつから…」
「君たちが下らない言葉遊びをしていた頃からだね」
見すぎじゃないっすかね。ラブコメでももうちょいタイミングよく見始めるくない？
「しりとりの件はまあいいとしてさっきの事については見過ごせないね。じっくり話を聞きたいのだけれど」
「……や、あの、店長…」
「朝霧、君が影片を足で抑えていたことについても言いたいことがあるのだがね？女性がする行為にしては──」
あっ駄目だこれ庇ったら飛び火するやつだ。
しかもマドモアゼルちゃんもいないから止める人がいない。詰んでる。
「もう店を閉めたまえ。今日は君たちにじっくり説教をしてやろう」
「でも店長、まだ店開けて2時間しか経ってないんですけど……」
「関係ない！」
「店長〜〜〜〜」
アンティークショップ『ヴィクトリア』。
毎日こんな感じで営業しています。
…あ、毎日でもないや。
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佐藤(プロフ) - 璃々衣さん» 初めまして、有難いお言葉ありがとうございます！色々と書きたいネタはあるのですがね…もっと更新できるように精進します。これからもよろしくお願いします！ (2018年10月31日 18時) (
レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
璃々衣(プロフ) - 初めまして。とても素敵なお話で、何周も読みました……！お忙しいとは思われますが、更新楽しみにしております。お体に気をつけて、更新頑張ってください！ (2018年10月29日 19時) (レス) id: 6b21f4271d (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - こめこさん» コメントありがとうございます…！いやもうそう仰って下さりとても嬉しいです。本当に更新遅くて申し訳ないんですがこれからも読んでいただけると幸いです(_ _) (2018年10月3日 1時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 突然のコメント失礼します。作者さまの書かれる独特なリズム感のある日常がかわいくて素敵で、とっても好きです。更新があるたびつい嬉しくなってしまいます〜。これからもひっそり応援させていただきますね (2018年10月1日 21時) (レス) id: daff2d3cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年7月21日 21時
