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「荻野さんも一緒に店に立つってことか」
「そうそう」
買い出しの後、俊くんの本屋に寄って料理本を物色する。
俊くんは俺やニカのためにこうした本を多数揃えてくれる。
「Aさんイタリアンとか洋食が得意だからバリエーションも増えるよ」
「楽しみ。玉と一緒に行くから」
大体いつも玉と一緒に来てくれる俊くん。
そういう俊くんの恋愛事情はどうなんだろうね。
料理本をパラパラとめくり、これだったらアレンジできそうというメニューを見つける。
「これ、下さい」
「まいどあり」
俊くんの本屋を出て、俺は夕月夜食堂に帰った。
「おかえりなさい」
「ただいま」
厨房ではAさんが何か作っていた。
「何作ってるの?良い匂い」
「ミートソース」
「良いですね」
あれからAさんは夕月夜食堂に来てくれて一緒に働いている。
俺とAさんで日替わりで今日のメニューを考えるという仕組みにしようと思っている。
「横尾くん味見してみて」
あーんと差し出されたさじを口に入れる。
「美味しい。最高」
「ありがとう」
自分の店にずっと憧れていた人がいる。
やっぱり未だ夢の中にいるんじゃないのと思ってしまう。
だけど現実は今目の前にある。
なんてぜいたくなことなんだろう。
だったら両方手放さないように両方を大事にしたいと思う、永続的に。
開店の時間になり、暖簾を出す。
今日は初めてAさんがメインの日。
常連さんには周知していったから多分大丈夫だと思うけど。
「お客様来てくれるかな」
「大丈夫ですよ」
そんな話をしていたら戸が開いた。
ほら、常連さんだ。
紹介されたのがきっかけでやって来たあかつきアーケード。
今日も俺はここで、ここの人達のために料理を作る。
「いらっしゃいませ」
皆様もよろしかったら来てみて下さい。
美味しいご飯とともにお待ちしております―――。
END
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年11月23日 14時