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彼女、菱田Aと今の関係になったのは2年前。
Aは4年前から俺の秘書をやっている。
最初は何とも思っていなかった。
だから冷たく接していたと思う。
けど潮目が変わることになる。
アメリカのニューヨークに出張したとき、年上の支社長に結構言われてショックを受けていた。
そのときAを同行させていて、宿泊先のホテルに帰った。
「あの、社長大丈夫ですか？」
「ああ、平気」
口ではそう言いながらも平気じゃなかった。
今一人でいたら明日に影響が出るほどの酒を食らいそうだった。
「本当ですか？」
こう訊いてくるAの顔をまじまじと見て、可愛い顔してんなと思ってしまって、癒してもらいたくなった。
「平気じゃない」
「えっ？」
自分の部屋に彼女を引き込んだ。
そしてすぐ唇を奪う。
「社、長……」
「俺を癒して」
何度も口付けて、彼女の唇をこじ開けて舌を絡ませる。
その唇が柔らかくて、ずっとこうしていたいななんて思っていたら、Aの身体がガクッとなって、受け止める。
そのまま抱きかかえてベッドまで行き、横たわす。
抵抗しないってことはいいんだよね？
「ちょっと待って下さい、社長」
「無理」
「でも社長、奥様がいるのに」
「あんな奴、形式上だけだよ」
現実を持ち出す彼女にイラついて、また唇を奪う。
無理矢理服を脱がせて彼女の肌に触れれば、もっと触りたくなってたまらない。
「社長……」
涙目で俺を見上げる彼女にゾクゾクした。
「いいから俺を癒せよ」
Aの完全同意を得ぬまま、犯すようにそのとき抱いてしまったのが始まり。
最初は欲の捌け口だけのつもりだった。
これっきりの過ちのつもりだった。
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作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2021年9月11日 17時
