* ページ44
・
「お疲れ様です」
「あなたも来てたんですね。えっと……」
「こないだ自己紹介してなかったですね。矢作Aと申します」
「矢作さんね。どうして宏光の所で?」
(やっぱり可愛らしい方だな)
やっぱり恋の声が聞こえる。
「私のいとこが北山さんと友達で、その縁で」
「そうなんですね」
あからさまな恋の声が聞こえると少し引いてしまう。
それに私しばらく誰かと付き合うとか考えたくないというか。
せっかく俊くんと一緒に働いてるみたいなものだし、そこを楽しみたいというか。
「そういや服部さん、他の弟子には連絡したんすか?」
「一応したよ。中内田と音無はじきに来るんじゃないか?」
「高野さんは?」
「あいつは……忙しいみたいで」
なんだか間があったような。
思わずみっくんと目が合った。
(まさか……)
そんな呟きも聞こえた。
「何か手がかりはあるか?」
「手当たり次第ですね」
その日みっくんは本当に手当たり次第資料を持ち帰った。
私もそれを運んだ。
別れ際服部さんがこう言った。
「宏光。後日相談したいことがあるからなるべく予定空けといて」
「はい、分かりました」
私はその時ほんの少し嫌な予感がした。
・
77人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時