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「えっそうなの。私は元気にしてる。今はいとこの伝手で探偵事務所で働いてる」
「元気なら良かった。それでどうしたの？」
「実は斉藤さんと田中聖子が」
私は紗弥にかくしかじかと伝える。
そして自分の見解も伝える。
「聖子さ、Aを追い出して高笑いしてたよね。あの魔女にやられる前にやってやったみたいな感じでさ。あいつ性格悪すぎでしょ」
つまり聖子には探られたくない何かがあった。
私に聞こえてはいけない何か。
「斉藤さん？あの人は聖子の言いなり……いや、あの人もコネ入社なんだよ。実家があそこの取引先で」
「知らなかった」
お付き合いはしてたけど、あの人のことにそこまで興味がなかったからな。
「そりゃ一般家庭の私より上層部とコネがある聖子の方になるか」
あの人自身は多分私のことを好いてくれたと思うから……やっぱり探るのは聖子を重点的にか。
「A、全然残念そうじゃないね」
「だって、特別好きではなかったから」
「聖子の毒牙にかかってなかったら良い人だと思うけどなあ」
「客観的に見たらね」
私にはずっと好きな人がいるから、その人以外は何とも思わないからしょうがない。
「私、同期にそれとなく訊いてみるよ」
「ありがとう。恩に着ます」
電話というのは相手の顔が見えないから心の声が聞こえなくて良い。
でも同時に怖いとも思う。
会社の中じゃ一番仲が良かったとは思う。
だけど信用はしていない。
全て疑心暗鬼。
紗弥も調べてもらおうか。
「あっA。いたいた」
すると俊くんが事務所にやって来た。
「調査はどう？」
「俺とガヤさんは専務の辻野と常務の谷川を追ってるけど……この2人架空取引を行ってた可能性が高い」
そう言って俊くんは資料やら写真やらを見せてくれた。
「また金かよ」
「また？ってことは」
「玉ちゃんが調べてくれたんだけど、上層部皆ペーパーカンパニー作ってて、そこにお金を移してて。じゃあ逆粉飾決算がそこにあれば脱税で引っ張れるんじゃって話になったの」
「俺の話と繋がってるかもね」
「というか、俊くんガヤさんと一緒じゃないんだ」
「休憩がてらAの顔見にきたの」
いつも俊くんは私が嬉しくなるようなことを言ってくる。
だけど今は自分のことだ。
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真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか？ＰＳ昔（１９９６年頃）、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定（探偵では無いですが。作者：池野恋先生 おしえて菜花）があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2023年3月15日 15時
