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3日目の夜。
明日には東京に帰るのかと思いながら、私は布団の上でガールズトークを聞いていた。
私のいる部屋は5人部屋になっていて、かんなと文乃の他に塩原花音ちゃんと永島百香ちゃんと同室だ。
何で女子は集まったらコイバナをするんだろうと思いながら花音ちゃんと百香ちゃんの話を聞いていた。
「かんなちゃんあの3人の中に好きな人いるの？」
次はかんなに話題が移る。
あの3人というのは当然タマとニカと千ちゃんのこと。
「あー私は千ちゃん」
さらっとかんなはおっしゃった。
「だと思った」
そう言ったのは文乃。
「同じ芸術肌だから感性が合うというか……」
「かんなちゃんピアノ上手だもんね」
かんなは校歌を歌うときの伴奏に選ばれるほどの腕前の持ち主。
音大に進みたいと早々に言っている。
「告んないの？」
「んー……向こうがどうか分かんないし、私恋愛に現抜かしそうで」
「あーそれ分かるなあ。文乃ちゃんは？」
「私は年上の彼氏がいるから」
「えーどんな人？」
ガールズトークはヒートアップしてる。
私が初めて知ることが続いている。
「私の隣の家が彼の実家でずっと可愛がってもらってたんだけど、今年に入ってからやっと振り向いてもらって」
「年上の幼馴染か。キュンキュンする」
「ねえ」
もうすぐ消灯の時間だというのに女子たちは盛り上がっている。
何でこの2人は私と一緒にいてくれるのだろうかと考える。
「Aちゃんは？好きな人いる？」
花音ちゃんが私に投げかけてきた。
そりゃそうですよねと思いながら。
「私はいない」
本当にいないからそう答える。
いつか私も自分の意志で恋が出来るのだろうか。
「えー玉森くんは？」
「タマ？」
私は首を傾ける。
「友達の一人かな？」
「じゃあ宮っちは？」
「宮田先生？」
もっと首を傾けるような質問だ。
「優しい先生だとは思うけど」
だって先生だしと思っていたら。
「そろそろ消灯時間ですよー」
5組の女性担任の声がして私たちは返事をしながら電気を消した。
私は色々なことに鈍いよなと思いながら目を瞑った。
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作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2021年7月6日 11時
