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修学旅行の日となった。
私たちは沖縄を訪れた。
1日目2日目は沖縄と戦争の歴史を主に学んだ。
私たちは全く戦争を知らない世代なわけだから、当時の様子を知ることは大事だと思う。
そして3日目からは楽しいプログラムになっていて、私たちは美ら海水族館を訪れた。
私は5人と一緒に回る。
ジンベエザメのいる大きな水槽を眺める。
ジンベエザメに圧倒される。
「Aは生まれ変わるとしたら何がいい?」
隣にいたタマから訊かれる。
「んー……人間でいいかな」
「どうして?」
「一回人間やってるし」
「前世の記憶なかったら意味なくない?」
「そっか。でもうっすらあるかもしれないし」
「Aって喋るとたまにアホになるよね」
タマはナチュラルに失礼なこと言うなあなんて思いながら。
「タマは生まれ変わるとしたら?」
「俺は……クラゲみたいに漂ってるのも悪くないかなあって」
「海の生き物は海の生き物で大変だと思うよ」
「夢ないなあ」
そう言われても、人間は人間で大変なんだから生き物も生き物で大変だと思う。
「あっそういえばさ」
「ん?」
「最近宮っちとよく話してない?千ちゃんから聞いたんだけど」
「進路相談してるだけだよ」
「珍しい。Aが他人に相談なんて。親の話も聞かないし」
ちょっとドキリとしていたら。
「あっ噂をすれば」
タマの視線の先には宮田先生と北山先生がいた。
「宮っちとキタヤン」
「何かおごって」
かんなと文乃が二人にせがむ。
それに男子3人も寄ってきて私は最後尾。
「お前ら出会い頭それかよ」
「自分で買ってね」
「男二人で回ってるの?」
「俺たちはお前たちの見回りがメインだから」
「そうそう」
「何が悲しくて宮田と水族館回んなきゃいけないのよ」
「それはこっちの台詞」
二人のやり取りを見て、この二人は仲良さそうだなと眺めていたら宮田先生と目が合った。
私は少し先生に近づく。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年7月6日 11時