Episode44 ページ44
「３ヶ月ぶり、だな」
「…うん…」
本当は２ヶ月半だ、と心の中で思い、そんな細かいところまで覚えている自分に気づく。
「今日は飲み会か？」
「そう。会社の子たちと」
「そうか。元気そうでよかった」
「…うん」
サトルの言葉を聞いて“ふざけるな。やっとここまで立ち直って元気になったんだ”と言えたならどれほどスッキリするだろうと考える。
だけど出てきた言葉は「そっちは？もしかしてデート？」なんてセリフで、言ったそばから激しく後悔した。
「いや…彼女とは別れたよ」
予想外の返事に思わず顔を上げると、自嘲気味に笑うサトルと目が合った。
「あの後しばらく付き合って、すぐうまくいかなくなった」
「そう…」
聞きたいような聞きたくないような複雑な気持ちだった。
「俺さ、あの子の喜怒哀楽が激しいっていうか、自分の気持ちに素直なとこに惹かれたんだ。Aとは２年以上一緒にいて、何となくお互いに言わなくても分かるみたいな雰囲気あったじゃん？なんていうか、刺激が欲しかったんだと思う」
「……」
「でも、結局Aと比べてしまうんだ。Aだったら分かってくれたのに、Aだったらこう言うだろう、ってな。陳腐な言葉だけど、失って初めてAの大切さに気付いた。もし、あの日の俺に言えるのなら『今すぐにAとの待ち合わせ場所へ向かえ』って言うよ」
彼の真剣なまなざしに、胸が痛んだ。
涙がこぼれないように唇を噛んで目に力を入れた。
“今さらそんなこと言われても困る”と思うのに、もう１人の私は彼の言葉を嬉しいと感じている。
何か言わなきゃと思ったその時、「A、どうしたの？」とユウキが現れた。
ユウキはサトルに気づくと、「あ･･･」と呟いた。
「ユウキちゃん。久しぶり」
「サトルさん･･･何でここに？」
困惑した表情で彼を見つめるユウキの声がトゲを含んでいる。
「僕も会社の人間と飲んでたんだ。トイレに立ったらたまたまAと出くわしてね」
「そうだったんですね。私たちも職場のメンバーで飲んでるんです。さっきまでAの新しい恋バナで盛り上がってたんですよ」
「ちょっと！ユウキ！！」
身に覚えのない話に慌ててユウキを見ると、そんな私のことはお構いなしに「じゃ、私たちはこの辺で」と言うと私の腕を掴み歩き出し、私はなすがままにその場を後にした。
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SaYaKa(プロフ) - yndreamv0mm0vpqさん» コメントありがとうございます!!たくさんドキドキしてもらえるように頑張ります^ ^ (2018年8月2日 7時) (
レス) id: d50237b6e9 (このIDを非表示/違反報告)
yndreamv0mm0vpq(プロフ) - 今後の展開がすごく気になります。2人はどのようにして再開し、恋に発展して行くのか。ドキドキ。楽しみにしています。 (2018年8月1日 18時) (レス) id: 59b8f94fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SaYaKa | 作成日時：2018年7月31日 1時
