隣の赤髪くんと生徒会長様っ！【赤羽業】

過去の時間 ページ26

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【業said】



さぁ、どうする？



助けに来れば救出する前に撃たれて死ぬ！


見殺しにすれば、先生としてのあんたは死ぬ!!



「(はははっ！すっげぇ。

走馬灯っぽいの見えてきた！)」



人間ってのは死ぬ直前に今までのことを思い出す走馬灯を見るっていってたけど、ホントだったんだ！



【大丈夫？先輩。3-E、、、大変だね？
そんなことで因縁つけられて。】



俺が正しいはずだった。
虐められてた先輩助けて悪いわけない。


あの先生が俺の味方をしてくれる限り、
俺は怖いものなんか何も無かった。




------なのに……。



【どうみてもお前が悪い!!頭おかしいのかお前!?三年トップの優等生に怪我を負わすとはどういうことだ！】


そのときの担任の歪んでいく顔を今でも鮮明に覚えてる。

あのときの優しい目はもうそこにはなくて、俺に向けられていたのは敵意の目だけが残った。




------やばい……"死ぬ"。



----俺の中で先生(こいつ)が"死ぬ"。



E組に落ちることを告げられたと同時に、俺の頭は怒りと殺意で頭が真っ白になった。


【業、やめて！落ち着いて!!】


気がつくと俺はAに腰を掴まれていて、担任の先生(こいつ)は怯えた目で俺を見ていた。




「(殺せんせー、あんたは俺の手で殺してやるよ！さぁ、どっちの死を選ぶ!?)」


死を覚悟しての決死の暗殺。
今の俺に迷いなんてなかった。



【業！】



ない……はずだった。



【赤羽くんは他の人と違って優しいね。】


【業でいいよ。その赤羽って、呼ばれ慣れてないからさ。】


Aとはじめて出会った頃の出来事が脳裏に再生される。


「(なんだよ……こんな時に)」


余計なことを思い出させやがって。

覚悟した死を鈍らせるような記憶の引き出しに、俺は唇を噛み締めた。



【業は私の友達第一号、だよ！】


記憶の中ではにかむ、幼い頃のAの姿が頭から離れない。


「(なんでこんな時に……あいつのことまで思い出すんだよ！)」


死を覚悟していたはずなのに、あの笑顔を思い出すたびに目頭が熱くなるのがわかった。


「(……A。)」


---悔しかった。

自分にだけ向けられていた笑顔が、俺が停学していた頃の間に他の奴らへ向けられていたことが。


「("俺の知らないところで")」


そんなごちゃまぜの状態で、今の俺に引き金なんて引くこともできず、ただ重力に逆らうことなく落ちていく。



「(ただ一つの心残りといえば……。)」



---もう一度だけ、笑顔がみたい。

命の時間→←先生の時間

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