※第４０話 ページ42
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今日は待ちに待った日ーー
新しいタブレットが手に入る。
Pirrr......
浮かれ気分の俺にかかってきた一本の電話。画面には'江戸川コナン'の文字。
「悪いけど、今日は構ってやれないぞ」
出たばかりの通話に開口一番で告げる。
「えぇ〜!?せっかくAさんと一緒にキャンプ行こうと思ったのに」
残念そうなコナンの声と後ろでどんちゃん騒ぎの少年探偵団。
「・・・キャンプか」
正直、引かれるものはある。
彼等と過ごすキャンプに、ではない。
コナンの事件遭遇率に、だ。
遠出なら確実に何かが起こる。
だけどーー
安室さんは午後からポアロ。
買いに行くなら、午前中しかない。
タブレットを買うくらい一人でも充分なんだけど、今回は訳が違う。
「どうしても駄目？」
「・・・お前の所為で壊れたタブレットの代わりを、今日は安室さんと買いにいくんだ」
「安室さんと!?」
急に大声を上げたコナン。
思わずスマホから耳を遠ざけた。
「Aさん、大丈夫なの？」
俺と安室さんのやり取りを間近で見ていた所為もあるのか。
コナンは安室さんにあまり良い印象を持っていない。
「買ってもらうんだから、安室さんも一緒じゃないと」
っていうか、コナン。
俺の心配してくれるんだ。
思わず苦笑が漏れた。
「・・・まぁ、いろいろ聞いてくるだろうけど。とりあえずは大丈夫だろ」
目の前でハッキングもしちゃったし。
それも警視庁の。
『君は僕の'敵'ですか？』
その判断材料は着実に揃いつつある。
今のところはーー
「'敵'、なのかな」
「僕と昴さんは、Aさんのこと敵だとは思ってないよ」
ぽつり、と呟いた独り言は、コナンに拾われた。
「何かあったら、すぐ連絡しろよ」
お前は俺の母さんか。
なんて思ったことは、本人には内緒だ。
ありがとう、と呟いて通話を切った。
中身が高校生とはいえ子供に心配かけるなんて、俺も大概ダメな大人だな。
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作者名：鐘稀 | 作成日時：2019年11月2日 21時
