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※第15話 side:降谷 ページ17

※流血表現注意



ポアロの買い出しから戻る途中。
見覚えのある二人の刑事がレストラン『コロンボ』へ入っていくのが見えた。

「何か事件でもあったのか?」

駐車場に愛車を停め、扉を開けば騒然とした店内。床に倒れる二人組の男。

顔のすぐ脇には、床に刺さった刃渡り十センチ程の果物ナイフ。

安全装置の引き上げられた銃も転がっていた。




元々かけられていたのか。
はたまた引き上げた誰かがいるのか。




一方、果物ナイフには血液が付着していた。

よく見れば、床の所々に飛び散った血痕。
辿ると、脇腹を抑えソファに座り込む灰色の外套を纏った青年が瞳に映った。

ベージュ色のふわりとしたねこっ毛。
その下には紅い双眸。

どこか物憂げな表情を見せる青年の姿をまじまじと観察し驚愕した。

抑えている脇腹からは大量の出血。



一体、何時からその状態なんだ。



「大丈夫ですか!?」

慌てて声を掛ければ、見開かれた紅い双眸が俺を捉える。

「安室さん!?何で此処に」

驚いているコナン君に青年の状態を伝えれば、困惑の色が浮かんだ。


ナイフに付着した血液。
青白い顔の青年と脇腹から溢れる血液。


いやな予感が脳裏を掠める。




「脇腹に刺さってたナイフ、抜いたから」




凛とした声が響いた。

何てこと無いように言い放った青年に、思わず目を見張る。



今すぐ説教したいところだが、相手は重傷。



ぐっと堪え、青年の前にしゃがんだ。

「僕の車まで歩けますか?」

「まぁ、歩くくらいは?」


へらり、と少年は力なく笑う。


「無理しないでください」

コナン君が目暮警部に事情を説明している間に、ソファに座り込む青年の膝の下に腕を通し、抱き上げた。

「ぅわっ」

驚いたような声を上げ、胸板を押し返しながら青年は足をバタつかせる。

「暴れないでください」

強い口調、鋭い眼差しを向ければ青年は大人しく、されるがままになった。



×

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:鐘稀 | 作成日時:2019年11月2日 21時

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