Lillyの王様 ×five×《ars/s.s》 (ページ20)

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Episode28 -7 ページ20

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正直いろいろと衝撃がありすぎて、なんと言っていいかもわからない。

「そうだ、一緒にいた彼にも謝っておいて」

「わかりました」

そうだよね、二宮さんにも伝えないと……って、あれ？

「そういえば翔さん、どうしてここがわかったんですか？」

「あぁ、カズから連絡が来た」

「……あ、なるほど」

「お前が連れてかれてすぐ電話してきたから、そのまま店飛び出してきた」

「お店、大丈夫ですか？」

「知らねぇ。お前が無事ならどうでもいい」

「ふふ、すっかり翔くんはあなたを溺愛ね」

パチンと理子さんにウインクをされて私は視線をさまよわせる。

「理子さん」

「ごめんなさい。さぁ、もう行きなさい。私も帰りたいし」

「はぁ……ほらA」

「ありがとうございます」

渡されたヘルメットをかぶって、翔さんの後ろにまたがる。

「ちゃんと掴まっとけよ」

「はい」

この間の松本さんの時とは違って、ぎゅうとしっかり翔さんの腰に手を回す。

ちょっと恥ずかしいけど、その温もりはとても安心できるものだった。

「じゃあね、二人とも……私はお似合いだと思うわよ」

「ありがと理子さん。じゃあまた」

「失礼します」

翔さんが地面を蹴ってバイクが走り出す。

街はすっかり夜に沈んでしまっていて、街灯に浮かび上がる頼りない道を風を切って進む間、私は翔さんの身体に回した腕を離さないように必死に抱き着いていた。

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