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Episode28 -4 ページ17
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「A…っ！」
バン…！
ものすごい音が背後からして、名前を呼ばれる。
反射的に振り向いた私の視界に、鬼のような形相をした翔さんが映った。
「翔さん…！」
思わず名前を呼ぶと翔さんの目が私を向く。
わずかにその表情が緩んだのもつかの間、翔さんは見る間に目を吊り上げるとずかずかと部屋に入り込んで私の腕を引いた。
「帰ろうA」
「待ちなさい翔。私はまだ話をしている途中だ」
「貴方の話を聞く必要なんかない。行くぞ」
ぐいぐい腕を引かれてソファから立ち上がる。
「翔、私はお前のためを思って言っている。その子はやめておきなさい」
「うるさいな、誰と付き合おうが俺の勝手だ」
「その子ではお前は幸せになれない。百合亜君はもういないんだ。彼女と結ばれないのならば、お前は自分で選んだ相手と結婚する必要なんてない。私の言うことを聞きなさい。これはお前の幸せのためだ」
百合亜君？いない？
訳の分からない単語が飛び交って私は翔さんのお父様の顔を見る。
そのお父様の目は翔さんに向けられていた。
険しい表情は、あんまり翔さんとは似ていない。
「俺の幸せ…？」
低く、唸るような声で翔さんが言葉を吐き出す。
そしてそれは、お父様に向かって暴発する。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年6月1日 10時
