君の隣が似合いたい【黒】 (ページ6)

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ちょっと潤んだ目で見つめられ、気づけば瞳に吸い込まれそうになる。

『…た、ただ、面白そうだなみたいな、そういう、軽いやつだからね？？別に、目黒が好きになったとかじゃ、ないからね？？』

「…うん。笑」

今度は子猫を見るみたいな目で覗き込んでくる。
私、子猫になった覚えない。

『ねえ見つめれば落ちるとかないからね？？』

「分かってるよ。笑」

『じゃあなに』

「いや、なんでもない」

『なんでもないが1番気になる』

「…いや、普通に、抱きしめてえなって」

『あ、それはやめて？』

「はい」

デカいくせにベンチの上で丸まって悶絶(？)している。
足余ってんじゃん。分けてくれ。

「あっ、じゃあ、17より俺の方が好きになった？？」

『…それはどうかな』

「さっき目黒って呼んでくれたのに？」

『…アンタさ、勉強苦手なの？』

「目黒」

『アンタ、化学の時聞いてた？』

「めぐろ」

『アンタって案外f』

「め、ぐ、ろ」

『…蓮って、案外普通だよね』

「そう目黒！…え！？」

表情がコロコロ変わって面白い。ファンの女子の前でもそうしたらいいのに。

「え、今蓮って呼んだ！もう1回！」

『やだ』

「もう1回！」

『目黒うるさい』

「ええ、目黒になっちゃった…」

『ほらもう行くよ、目黒。昼休み終わっちゃう』

「はい…。目黒行きます」

"蓮って呼んで貰えそうだったのに"
とかいってまた口を尖らせている。

ニヤニヤは隠せてないけど。

…………

目黒の斜め後ろを歩いて、裏校庭を後にした。

歩きながら、やっぱ背高いな、とか思っていると目黒が振り返った。

「Aちゃん、俺の友達？？」

『何の確認』

「俺の友達？？」

『…うん』

「っしゃ！」

小さくガッツポーズをしてまた歩き出す。

やっぱりよく分かんないけど、平凡な私の高校生活にちょっと色が足される気がした。

すれ違う女子達にカッコイイとか言われて苦笑いしている目黒を見て、その色は目黒にしか出せない色なのかも、とも思った。

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