君の隣が似合いたい【黒】 (ページ27)

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「行くぞ逃げろっ！」

4限が終わり昼休みが始まった瞬間。

人が集まってくるのを避ける為に、後ろの方の渡辺は目黒を引っ張って行った。

休み時間全部他のクラスから人来てたからね。

やっと静かになったと思ったら。

「おいAも来いって！」

『…はい？』

「さっき来るって言ったじゃん！」

『言ってないよ』

「言った！…ああまた集まってきた…ほらA！！」

『まじかよ…』

後ろの方の渡辺に大声で呼ばれ、ついて行く羽目に。

"早く来いって"と急かす後ろの方の渡辺と、話しかけられている目黒の後ろを渋々ついて行く。

「はいはい今目黒忙しいからほっといてー」

寄ってくる人を全員剥がしてる。

まるでアイドル目黒に付いているスタッフだ。
後ろの方の渡辺も結構アイドル顔だけどな。

なんてボーッと眺めながら歩いていれば、屋上に着いた。

『…いや、屋上立ち入り禁止じゃん』

「俺鍵持ってる」

『後ろの方の渡辺ってもしかしてすごい権力持ってる？？』

「鍵も権力も持ってる」

『上手いこと言うな』

何故か屋上に出た。

後ろの方の渡辺と目黒が屋上、は分かるよ？先生にゴマすって鍵借りてきたんだろうなみたいな。

でも私はダメじゃね？
見つかって怒られて退学みたいなのあるよね？？無理じゃん。

『私帰るよ？』

「おい目黒、お前昨日何してた」

『無視なの』

「Aちゃんとデートしてた」

『デートちゃうわ』

「皆他校の女子とか言ってるけど？」

「それただの噂。俺Aちゃんとしか遊ばない」

「じゃあなんでそんな噂流れてんだよ」

「んー、まあ、その他校の女子って言われてるのはAちゃんっていうことかな」

「はあ？」

「あんま言いたくなかったけど。
Aちゃん、眼鏡外すと全然変わるの」

『…え？』

「じゃあ、遭遇した人はAを見て、別人だと思ったってこと？？」

「そうだと思う」

『…え、？』

「ガチで言ってんの？間違えるほど？え、ちょっとA眼鏡取って！」

「え！！ダメ！！！！」

「うるっさなんで目黒が止めるんだよ」

「眼鏡外したところ見たら翔太も惚れるかもしれねえじゃん」

『…はあ？？』

…ぜんっぜんついていけない。

私がアホなだけなのか、この2人がアホなのか。

後者であれ。

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