キミ、カオル。I【すとぷり】

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side…ころちゃん

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「……ねぇ」



Aがソファに腰掛けてぼーっとすること10分。


ボクの呼び掛けにも答えてくれない。


ドサッと隣に腰掛けて顔を近づける。



「ねぇってばっ！」


「……あっごめんね」



少し俯いたまま力なく返事をする。



「ボク一人で店番してようか？」


「全然大丈夫！……ありがと」



そう言って立ち上がろうとするAの腕を取った。



「ジェルくんのこと考えてたの？」


「!?」



分かりやすく動揺した表情。


しかもバランスを崩してソファに尻もちついている。



「……図星か。何されたのジェルくんに」


「……な、なんにも！」


「嘘だ。何も無いならそんなに動揺しないでしょ」




面白くない。




ボクが隣にいるのに他の男のことを考えてるなんて。




「……いや、むしろ何かしたのは私……？」



Aの少し赤くなった頬。



非常に面白くない。



「……えぇっ？ ジェルくんにキスマとか付けられたんじゃないの？」



Aの髪の毛を搔き上げる。


サラサラと零れ落ちる髪の毛の隙間から見つける。



「ほら。あった、キスマ」


「……えっ？」



さっきよりも動揺した表情を見せたA。


徐々に青ざめていく。



「……いやっ、やだっ」



震える身体とシルシ(・・・)を抑えてうずくまる。



「やだやだやだ」



ボクは状況が上手く掴めなくてAの背中をさすろうとした。




その瞬間だった。




「いやっ……何で…私は、アイツの所有物じゃなっ」




その一言で全てを理解する。



本当に本当に面白くない。


また、別の男がAの思考を支配してる。




今、Aの目の前にいるのはボクだから。



「こ、わぃ」






ボクを見て。



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