7.これからも大好きな人 ページ7
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『……4時、半』
やっぱり、あの騒がしい廊下で
あんな小さい声は聞こえなかった……いや、聞こえるはずがないか。
わかっていたけど、我妻くんみたいにみんながいる中、大声なんて出せないから。
……って、結局、怖かっただけなんだけどね。
我妻くんがもしここに来たとして、気持ちを聞いたら。
それでもし、もう私に好意が無かったら。
凄く、それが怖かった。
我妻くんは女の子を第一に優先して、きっと、傷つけるような言葉は言わないから
無理やりでも好きと言うんだろう。
ああ、いいなあ、禰豆子さん。
あんなに我妻くんに好かれていて。
私が、禰豆子さんだったら……
『あー、』
叶わない願いしたって、無意味。
結局選ばれたのは、あの禰豆子さんなの。私じゃ、絶対、ダメ。
私がどんなに可愛くなろうが、禰豆子さんになろうが、我妻くんは……私を見てくれない。
ほら、もう、ずっと片想いなんだって。
1度でも真っ直ぐに好きと言ってくれたあれは、全部、私の……妄想、かな。
『っ、ふ、あがつま、っ、く、っ』
そう、思おう。そう思うしか、この気持ちが楽になってくれない。
「……A」
後ろから回ってきた腕は、確かに炭治郎で。
炭治郎は小さく、
"俺と、付き合って"と言うと、
私の頬にキスを落とした。
「俺は絶対、つらい思いさせないから」
炭治郎の言葉に、嘘はない。
炭治郎となら、こんな気持ち……味わずに幸せになれるのかな。
『炭治郎、……』
*
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凪 - 面白かったです! (2020年2月1日 22時) (レス) id: b575dccd32 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 超苦しい!なんかやっぱりきゅうってする!…炭治郎ぅう!私は好きだゾォォオ!! (2019年12月23日 1時) (レス) id: bbe87bcae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふわふわべあー。 | 作成日時:2019年12月7日 21時