淡い恋心

魘夢 月の光 ※Psycho様リク ページ48

貴女side


鬼は日が出ている間活動ができない
だから、彼と会うのもいつも夜のみ。



まぁ、私も鬼だから結局そうなるんだけど。






そんなことを考えながら、いつも賑やかな街を見下ろしていた。


この場所は彼が教えてくれた街全体を見渡せる崖の上。すごく綺麗で気に入ったから彼と待ち合わせするのもいつもこの場所。






それに―――





貴「今日は月も出ていて綺麗だな」


？「そうだねぇ、今日も綺麗だよ」




後ろから声が聞こえたので振り向くと







貴「魘夢」


魘「やぁA。待った？」


貴「ううん、今来たところだよ」


そっかー笑 そう言って魘夢は笑った





魘「今日はね、Aに連れていきたいところがあるんだよ〜」

貴「連れていきたいところ？」

魘「そ。きっと気に入るよー？」



そう言って魘夢は私の手を引っ張って歩いていった









少し歩いた後、突然魘夢が口を開いた


魘「A、ここからは目を瞑ってて」


貴「え？…分かった」




訳もわからなく目を瞑ってたらいきなり浮遊感に襲われた

驚愕して目を開けてしまうと目の前に魘夢の顔があった



貴「なんで、私抱き上げられてるの!?」


魘「まぁまぁいいから〜ほら目ぇ瞑って？」



そう言って魘夢は私の額に接吻をした



恥ずかしいので大人しく目を瞑ったらまた魘夢は歩き出した






何も見えない








魘「…着いたよ目開けて」


そう言われたので目を開けたらそこには―――







見たことないくらい綺麗な光景だった



花が咲いていてその近くに泉があった。その泉は透き通るくらい透明で月の光写してキラキラ輝いていた




魘「綺麗でしょ？」


貴「うん…」





言葉が出ないってこんな感じなんだな
何も言えないくらい綺麗





私は吸い込まれるように泉の水に入っていった



貴「冷たい…」


でも、凄く身に染みて醜いものが浄化されてくような感じがする





今なら―――







貴「ねぇ、魘夢…。」


魘「なぁに？A」


貴「いつも、綺麗な所に連れていってくれてありがとう！大好き！」




私はいつもあまり言わない感謝の気持ちを満面の笑みで魘夢に伝えた




そうしたら、魘夢も水の中に入ってきて私を抱きしめた




魘「こちらこそいつもありがとうA。愛してる」






私達はお互いに見つめ合いながらどちらからとも無くゆっくりと顔を近づけていった








月は2人をキラキラと見守っていた―――






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