気づいたら柱になってた 肆！【鬼滅の刃】

第佰肆拾参話 ページ16

・＿＿＿＿＿＿＿


Aside




朧「……そして僕は上弦の零になった。これが僕の過去。？………どうして泣いてるの？｣




ポロポロと頬を伝う涙。




兄さんから聞いた過去は、想像していた以上に辛くて苦しいもので。全部全部私の為の……




『兄さんは、辛くなかったの…？』




朧「…辛くなかったよ、だってAを守れたんだから。｣




『どうして…私の記憶を消したの？』




朧「……僕の事を覚えていたら、Aは絶対に僕に対して謝ってくる、私のせいだって。そんなのは嫌だった。だから鬼になってすぐに、僕に関する記憶を消したの。｣




悲しい気配をさせながらそう言った兄さんは、親指の腹で私の涙を拭い頭にそっと手を乗せた。




朧「…じゃあ僕と最後の約束。目が覚めたら、＿＿＿＿＿＿.に来てくれる？」




そう言うと、兄さんの姿が少しずつ薄れていく。




朧「あーあ、僕の血鬼術も限界だ。じゃあね、」




『な…っ……待って…待ってよ！兄さん…ッ！！！』




兄さんを掴もうとめいいっぱい伸ばした手は、兄さんの手に触れること無く空気を掠めた。

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