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side K.Nozomu



望「…あれ、なんで俺…。」



気が付いたら修練場に居て、刀を持っていた。
正面の壁は開いていて、いくつもの銃が俺に銃口を向けている。



望「腹、減った…。早う戻らな…。」



グウゥゥと、腹が鳴る。
当たり前だ、朝飯を食べていないのだから。

空腹を満たす為には、リビングへ戻らなければならない。
それなのに、体が動かなかった。
自分の体が、自分のものではないような、そんな感じ。

ずっとここに居なければ、修練をしなければと、ふと思った。
その刹那、いくつもの発砲音が響いた。



望「うぉっ…危なっ。」



そんなことを小声で言いつつ、飛んでくる銃弾を刀で切っていく。

いつの間にか、俺がスイッチを押したらしい。
ここに来るまでの記憶が全く無いから、良く分からないが。

1分ほど経って、ようやく異変に気が付いた。



望「…っ…早すぎひん!?」



いつも以上に、銃弾の飛んでくるスピードが速い。


俺は、一体何をしたんや。
全く覚えてへん。一気にスピードを上げたんか?


この銃弾の嵐は、長くても5分経ったら終わる。
それなら、5分間撃たれないように、耐えなければ。


でも、殺し屋になってから2ヶ月も経っていない俺には、不可能な話やった。



望「っ…ゴホッ…。」



最後の銃弾が俺の腹を貫いたことに気付いたのは、撃たれて暫く後のことだった。


人って、銃で撃たれたら案外気付かないものなんやな。


なんて、呑気なことを考える。

腹からはとめどなく血が溢れ出ていて、体の内側から耐えられない程の痛みと熱さが込み上げてきた。
立つことすら出来なくなり、その場に倒れ込む。

せり上げてきた血液を、口から吐き出した。
床は真っ赤に染まっている。


俺は、死ぬんか…?
まだ、何も出来てへんのに。
横山くんを見返せてないのに…。



中「…っ、のんちゃん!」



遠くから、淳太の声が聞こえた。


なんや、大きい声出せるんやん…。


そう言いたかった。
でも、口を開くことすら出来ない。

瞼が異常なほど重くて、開けていられない。
俺は、こちらに走ってくる淳太を最後に、目を閉じた。

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百瀬 花楓(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言っていただけるなんて…嬉しい限りです!今後とも、よろしくお願い致します(*^^*) (2020年6月28日 8時) (レス) id: 2a826d73c9 (このIDを非表示/違反報告)
のん - このお話ほんとに大好きです!これからも更新頑張ってください! (2020年6月28日 0時) (レス) id: 4b0daf74e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百瀬 花楓 | 作成日時:2020年5月11日 18時

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