検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:47,298 hit

第21話 ページ23

部屋は少し食堂から遠いらしい。



ガウェイン「いえ、誰しも自分の心中を勝手に覗かれたら怒るものだと思っていましたので。
そうですか。怒っていないなら、良かったです。」


そして、付け加えたように、



「口調が女に戻っていますよ?」



と言われた。



なので


「少しずつ女に近づけるといったのを忘れたの?」


と切り返す。





嘘だ。本当は指摘されて初めて気がついた。

どうやらわたしの頭にはまだ酒が残っているらしい。

なので、酒に思考を取られているついでに聞いてみる。


少し、甘えたふりをして。


少しだけ触れている胸に猫のように擦り寄れば、

聞こえてくるのは早まった心音と小さく息を呑む音。



酒というのは恐ろしいものだ、と、他人事のように考える。



普段なら羞恥やら何やらで絶対に出来ないしするはずもない事を

こうして[ちょっとやってみようかな]と考えるだけで、

簡単に実行できてしまうのだから。




A「逆に、女が職人やってるのが変だと思わなかったの?
貴方の生きた時代は、まだ女はあまり立場がよくなかった頃のはずなのに。」



寄り掛かったままで聞いてみる。



ガウェイン「確かにそうですが、我が王が女性であることや
ここに集う英霊と共にあったこともあり、あまりそのような事は気にしてはいないのです。
それに、自分で何かを成す女性というものは、総じて素敵ですから。」



付け足した言葉は騎士によくある世辞なのか、あくまで個人の見解なのか。

少し驚いたけれど、平静を装って「ふぅん…。」とだけ返しておく。



そんなやりとりをしているうちに、



ガウェイン「貴女の部屋はここでしたよね?」


部屋に着いたらしい。


今までずっと抱えてもらっていたことに謝罪と感謝を述べる。


そしてドアを閉めようとした、その時



チュッ




額から響く軽いリップ音と、甘えた時より近づいた体。



わたしの頭がこの事を理解するよりも早く、





ガウェイン「私も騎士とはいえ男です。あまり、あのような事はなさらぬよう。




勘違いをしてしまいますよ?」



おやすみなさい、と告げ、彼は足早に部屋を出た。









全てを理解した時には、わたしの心臓は早鐘を打ち、顔は真っ赤になっていた。


当然、あんな事をされれば酔いも覚める訳で。


とんでもないことするんじゃなかった、と今更ながらに後悔するのだった。






…因みにガウェインは、部屋から少し離れたところでうずくまっていた。

第22話→←第20話(夢主side)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
設定タグ:FGO , ガウェイン , 女主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アルっさん(プロフ) - フェニックスさん» 初コメありがとうございまぁぁす!うちのエミヤはママみが強いんですよ! (2018年11月19日 10時) (レス) id: e19e7f95da (このIDを非表示/違反報告)
フェニックス(プロフ) - エミヤ、オカン!!! (2018年11月17日 21時) (レス) id: 8e3aac7538 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アルっさん | 作成日時:2018年9月21日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。