【wrwrd】籠の中の少女【gr】 (ページ10)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:109,880 hit

９話ページ10

彼が出ていったテラスはとても静かで
少し夜風が肌寒く感じ
私はまた会場へ戻ってきた

それと当時に目線を浴びる
種類はそれぞれで
ベタベタと張り付くような目線や
嫉妬や怨みの様な鋭い目線など様々

大方、噂の国の総統様と話している事が原因
彼は女性からの人気が多いらしいから…
そんなことを考えていた

玉座に戻ると、お父様とお母様が近付いてきた
そして私に話しかける

父「A、どうだ？パーティーは楽しいだろう」

母「………」

『お父様、お母様、ご機嫌麗しゅうございます。こんな素敵なパーティー、私には勿体無いくらいです』

父「ﾌｯ…そうかそうか。それにしても、そのドレス、似合っているぞ」

『有難いお言葉です』

そんな会話はそこで終わり
お父様とお母様は貴族の方々の方へ向かった

その時のお母様は
とても冷たい目をしていた

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

その後もパーティーは続き
終わる頃にはもう１２時を回っていて

私は終焉間際に総統様を探したけれど
何故か会場におらず
幹部らしき方々も居なかった

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

パーティーが終わり
私は人目を浴びないように
メイドさん達によって
こっそりと会場から出された

どうやらお父様達の指示だったようで
またこれから部屋に閉じ込められる
という現実を突きつけられた

ﾒｲﾄﾞ1「姫様…本当に申し訳ありません」

ﾒｲﾄﾞ2「私共が不甲斐ないばかりに…」

『何言ってるの…貴方達は良くしてくれてるし…それにこれからも貴方達が居れば私はそれで構わないわ』

私はこれから起こるかもしれないことに
一人で迷いながら会話していた
会話が終わる頃
私はまた鳥篭の中へと戻された

部屋に戻ると
堅苦しいドレスを脱がせてもらい
お風呂に入った
そして一人で考える

『(総統様は「待っていてくれ」と言ってくださった…でもそれを信じられる確証はないわけだし、何より気分が変わったら…簡単に信じちゃダメね)』

と、心の中で自分に言い聞かせた
来なかった時、悲しくならないように

お風呂から上がり
身の支度をメイドさんたちにしてもらう
流石に疲れてほぼ無言だった
時間はもうすぐ午前１時になっていた

初めてのパーティーだったからか
身体が鉛のように重く
ベッドに横たわると抵抗もままならずに
瞼が閉じていった