7話 ページ8
no side
それには誰もが息を呑んだ
陶器のように触れたら
壊れそうな程の美しい白肌に
滑らかな肌触りのしそうな綺麗な長い黒髪
林檎のように赤く、ゾッとする程美しい唇と瞳
自己の名前を言うその声は
鈴の音のようでとても儚く感じられる
普段、女に微塵も興味が無いような男も
これには感嘆の声を漏らした
gr「これは想像以上だ…本当に美しい」
戦争と国にしか興味が無い男の口から
そんな言葉が出た事に
周りの幹部達は心底驚いていた
tn「明日は槍が降るやもしれんな…」
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gr side
美しかった
形容し難い。何よりその言葉しか浮かばず
今まで見てきたどの宝石よりも輝いて見えた
彼女が玉座へ向かう途中、目が合った
息を呑んだ
赤い瞳に吸い込まれてしまいそうだった
その後、彼女に挨拶に行こうと思ったが
行くことに躊躇いを持ってしまった
ut「なぁグルちゃん?挨拶なら俺が行ってもええんやで?」
gr「これは総統としての挨拶回りた。俺が行く」
tn「とか言っといて、グルさん惚れたやろ」
gr「…俺に限ってそれは無い。大先生が攫いたいなら攫えばいいんじゃないか?」
tn「あんなぁ…嘘でもそういう事口にしちゃいけんのやぞ?」
em「そうですよ!流石にそれはだめですって…」
そんな話をグダグダと続ける内に
俺が最後の一人のようだった
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彼女の目の前に行き自己紹介をした
すると彼女は俺の事を知っていたらしく
『あの、我々国の総統様でございますか?お話は耳にしております』
と言った
まさか知っているとは思わなかった
俺は膝まづいて彼女の甲へキスを落とす
無論、周りの視線が痛かった
このパーティーは戦争か何かか?
すると彼女は、目を見開いて
『もしよろしければ、少しお話致しませんか?』
と言った
俺は二つ返事で了承し
彼女の手を取り
誰もいないバルコニーへ向かった
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作者名:斬 | 作成日時:2019年4月26日 19時