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そらる)…あぁ、A。帰ってきたんだ
にこり、いつもと変わらない笑顔で笑いかけてくるそらる。
その手には、真っ赤に染まった料理包丁。
そして────目の前に倒れ込んでいる、まふくん。
A)……っま、まふくん…?まふくんっ??何、どうし、たの、
状況が理解できなくて、理解したくなくて、しゃがんで赤い液体で汚れたまふくんの名前を呼ぶ。
まふ)………………A、さっ…………に、げて、
か細い、苦しそうな声。途切れかけた息。
それを受けて、私はようやく我に返った。
A)なんで、まふくん…っ!?ねぇどうしてっ、やだ…!!やめてよ、こんなのっ……だってさっきまで笑ってたのに!なんでっ……!!
ぼろぼろ涙を零しながら、めちゃくちゃに叫ぶ。こんなの、こんなのおかしいって。
そらる)…へぇ、そんなに大切だったんだ?こいつのこと
後ろから、楽しそうな声。聞き慣れた、私の大好きな人の。
ゆるゆると振り返ると、まふくんの血で赤くなった包丁を持ったそらるが笑っていた。
A)…そ、らる………?
そらるが、そらるが…まふくんを、どうして?
声に出そうとしても出なくて、私は信じられないものを見るような顔でそらるを見ることしかできない。
そらる)ふふ、いいね…その顔。俺のこと、信じられない?…あはは、可愛いなぁ、Aは
歪んだ笑顔。狂気に満ちた声。
逃げなきゃ────直感的に思った。
立ち上がって足を動かそうとすると、そらるが手を掴んできた。
A)やっ…離して!
そらる)なんで?まふのこと好きだったの?…なら良かった、消しといて正解だった
ぎちぎち、掴まれた腕が悲鳴をあげる。痛い、痛いけど、心の方がもっと痛い。
A)っこんなの、私の好きなそらるじゃない!!
力任せに叫ぶと、そらるはさもおかしそうに笑った。
そらる)何言ってるの、これが俺だよ。Aの大好きな、そらる…そうだろ?
歪みに歪んだその顔に、私はもう逃げられないことを悟った。
fin.
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そらる)ねぇ、俺のこと…愛してる、だろ?
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しゅーまい(プロフ) - 黄衣さん» ありがとうございます!コメント遅くなってすみません、、 なるせちゃんのツンデレなシチュが欲しいです!!(*´Д`) (2018年4月12日 0時) (レス) id: d2a6d35e0f (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - 夏愛~なつめ~さん» 夏愛さんありがとうございます!良ければこれからも本作品をよろしくお願いします(;_;) (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - スイ(さぶ)さん» スイさんお久しぶりですありがとうございます(;_;)ううう嬉しいです…これからもよろしくお願いします! (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - くろさん» くろさんありがとうございます!では歌詞太郎さんでそのシチュエーションでも宜しいでしょうか? (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
黄衣(プロフ) - 藍さん» 志麻さんは女子からしたら理想の彼氏なんだろうなというイメージがあります笑誕生日のお祝いまでありがとうございます(;_;) (2018年4月7日 14時) (レス) id: c21a9e51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄衣 | 作成日時:2017年11月5日 15時