Sing a song. ２【歌い手短編集】

1日遅れの *りぶ* (リク) ページ16

ぴーんぽーん、









無機質なインターホンの音が鳴り響くけど、目の前のドアが開く気配はない。









ぴんぽーん、ぴんぽーん、









ぴんぽーんぴんぽーんぴーんぽーんぴーんぽーん、









「あぁもううるさいな！何！」









ガチャ、荒々しくドアから顔を覗かせたのは、彼氏のりぶ。









『何！じゃないでしょ！今日何月何日か知ってる！？』









睨みつけるけど、りぶは「12月26日だけど」なんて平然と答える。









『そう！クリスマスが過ぎたのわかってる？』









「あーうん、そういえば昨日だったね」









全く悪びれることのないりぶにとうとうキレて、私は問答無用で玄関にあがった。









「ちょっと、何勝手に入ってんの」









『っ私が！昨日どれだけ連絡したか知ってて言ってるの！？クリスマスだから一緒に過ごそうと思ったのにっ…』









リビングまでずんずん進んだところで、りぶに腕を掴まれる。









「だから、それは謝ったでしょ？仕事だったんだって」









『でも、私はりぶとクリスマス楽しみたかったの！』









ぽた、









叫ぶと同時に一粒の雫が零れて、りぶが驚いたように目を見開いた。

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