ミツとオレとの関係性

溢れだす ページ40

「 な … んで 」






え 、待って待って 。




みんなが楽屋から出て行った時
ミツもちゃんと出てたよね？




オレ 小さな後ろ姿見たもん




じゃあ … なに これ
幻覚？




ついに幻覚まで
見るようになったの？オレ




それはさすがに
……やばくないか 。






そう思いながら
恐る恐る ミツに近づく 。





近づいても やっぱりリアルで
オレはそ〜っと手を伸ばした 。






「 ……… あれ 」





…… 触れられる





ってことは やっぱり
これって本当にミツなの？




なんで？
帰ったんじゃなかったの この人…






不思議に思いながらも
未だに指先から伝わる熱が温かい 。






…… ミツの温度 だ




もう何度見ただろう
この無防備な寝顔 。



スヤスヤと気持ちよさそうに
ぐっすり寝ている






…… だから 襲われるんだよ








そう思いながらも
触れてる指先をどかせないのは



オレは ミツが好きだから 。






オレは 気付けば
顔を近づけてて



ミツの唇に
自分の唇をあてた 。







一瞬 とはいえない出来事



少ししてから 我に返って
ガバッとミツから離れる 。






オレ 今 …





恥ずかしくて 手で口を覆うけど
やっぱりまだ 感触が残ってる






‘‘ これ以上 一緒にいたらやばい ”





そう思ったオレは 相変わらず
口を手で覆ったまま



メモに一言書いて
ミツのそばに置くと




逃げるように楽屋を出た 。








気が動転してたオレは





足早に去るオレを



誰かが見ていたことに
気が付かなかった 。





そして …それで知らずうちに
誰かを傷つけてたことも 。

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