加茂さん家の天与呪縛ちゃん その3

佰参※最新話のネタバラシ注意(2021.02.26) ページ11

釘崎side





黒塗りの高級車が走り去るのを私達は見送ってから






「…で、アンタ何がそんなに心配なわけ?」






高級車から出てきたオッサンと話していた時のAを見てから、何故か不機嫌になった伏黒に私は話しかける。

すると








「…何も変わってねぇじゃねえかよ。」


「「??」」


「ﾁｯ」








何故か舌打ちをする伏黒に、虎杖が「なんで伏黒が不機嫌になんの?」と私に聞く

そんなの私だって知りたいわよ。



ただ言えるのは、コイツとAの問題ってことぐらい

過去に何があったのかは知らないけど、サッサと解決しろって話だ。



新田さんに呼ばれて、私達も車に乗り込んで任務先へと向かったのだった。








私達は、この時のことが伏黒とAだけの問題じゃないこと

そしてその問題が私達にも影響を及ぼすことだと知るのは、もう少し先の話。









───

──

─







「到着いたしました。」







車に乗って早数時間

やっと目的地へと到着し、私は運転手によって開けられたドアから降り、10年振りに見るその屋敷を見上げる。



…もうここには来ないと思ってたんだけど、人生何があるか分かったもんじゃないな。








「加茂様、お待ちしておりました。」








1人のベテランらしき女中さんが私を出迎え、屋敷の中へと案内してくれる。

案内された部屋にはまだあのクズはおらず、ここで待機しろと言われ、私は胡坐をかいて待つことにした。



ボーっとしながら天井を見上げたり、時々スマホをいじったり

正直に言おう




暇である

話し相手欲しい。









『…つか1回会った時と状況変わんねーじゃん

呼んでおいて待たせるとかあのクズ何様だよ。』








サッサと用件(何かは知らない)済ませて高専に戻りたい

既に皆と会いたい、癒しが欲しい


…そう言えば恵、相当不機嫌だったなぁ

帰ったらうんと甘やかそ

…何があったかは絶対に話さないけどな

その辺ははぐらかす、意地でも。





…つか、さっきから思ってんだけどさぁ









『はぁ〜うっざ

オイ、そこにいんのは分かってんだよ

サッサと姿現せよクソ野郎。』







ギロリと出入口を睨みながら言えば、襖が開けられ









「なんや、ひっどいこと言うなぁAちゃん

感動の再会やのに。」









端整な顔立ちでヘラヘラと笑っている男







禪院家“次期当主候補”

禪院直哉が部屋へと入ってきたのだった。

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