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第40話 ページ41




 オールマイトが登場してから一気に展開が変わった。
 広場に残っていた敵の残党が一瞬でノックアウトし、湖の傍にいた私達はいつの間にか死柄木たちから数十m離れた場所へと運ばれていて。


「皆、入口へ。相澤くん、トラファルガーくん、生徒を頼めるかい?」
「え!?え!?あれ!?速ぇ…!!」
「相手の個性を見誤らないで下さいよ…」
「指図するな」


 ギア・2の私なんかより何倍も上回るスピード。そこに驚き通り越して呆然としてしまう。そして突き付けられた。私はまだ弱いんだって。まだ守られる対象だって。
 そんなの当たり前の筈なのに、受け入れるべきことなのに、悔しいと思う自分がいる。…私ってこんなに正義感溢れてたっけ。なんて思ったり。

 大丈夫、その一言を残してオールマイトはVS脳無の戦いを始め、私達は避難を開始。意外だったのはオールマイトの指示にトラファルガー先生が従っていることだろうか。
 駆け足で入口方面へと向かう中、小声で彼に話しかける。


「トラファルガー先生、いいんですか?負けてはないけど勝ってもないのに…それに多分、先生の能力なら脳無くらい」
「言っておくが、俺はヒーローも敵も心底どうでもいい。どっちかが倒れようと知ったこっちゃねぇんだよ」


 確かに、彼の表情は無関心そのもの。けど、だからこそ引っかかったというか。


「じゃあ、何でさっきまで一緒に戦って…」
「気紛れだ。…あと、俺の目的達成のためにテメェをここでむざむざ見殺しにするわけにもいかねぇ。そう判断した」


 それだけだ。そう言ってトラファルガー先生はこれ以上話すことはなかった。つまり、その気紛れが彼なりの不器用なまでの“お人好し”ってことで───

 背後ですさまじい衝撃音が響き渡り、逃げていた私達全員が振り返る。十数mにも及ぶ衝撃波が天井を突き破る勢いで高く飛んでおり、それをやってのけるオールマイトが正直怖い。あの一発は強烈だ、誰もがオールマイトが勝つと思っていることだろう───若干“2名”を覗いて。


 しかし、その衝撃波の向こう側に見えたのは、腹部に指を突き刺された状態で鷲掴みされ、拘束されているオールマイトだった。ラリアットを食らった筈の脳無は、黒霧の個性で上半身がオールマイトの真下にある。


「ったく、大口叩いておいてこれか」


 トラファルガー先生がモーションを取る。刹那、


「オールマイトォ!!!」
「っ、緑谷!!戻れ!!」

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たぴわか(プロフ) - 緑屋…ww (2022年10月30日 17時) (レス) @page50 id: 95267a9cac (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 眠さん» コメントありがとうございます!端的に言うと前世の記憶はないためヒロアカそのものを知らない、けど何故か自分が転生したこと、ワンピースの知識はしっかり持ってるという謎めいた設定です!その理由は後々分かるかも…しれないし分からないかも…って感じです (2022年10月30日 16時) (レス) id: a47860cb56 (このIDを非表示/違反報告)
- コメント失礼します!少し気になったんですが夢主さんはヒロアカという漫画だけ知っていて、キャラ及びストーリーなどは知らないという感じですか? (2022年10月30日 13時) (レス) @page8 id: c3c12ef3af (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 緑屋なのおもろいwwwwwなんかめっちゃ好きだwwwwwww応援してます💪 (2022年10月26日 22時) (レス) @page50 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
さささ - はい!大丈夫です。ご丁寧に対応ありがとうございます!!細かくすみませんでした。本当に面白いです!頑張ってください。応援してます(*´`) (2022年10月25日 11時) (レス) @page41 id: 6ec0373f36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年10月21日 0時

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