魅惑的ミルフィーユ

「恋は困難」園田side -Haru- ページ5

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･･････きれいな字･･･。



ミーティング中、書記をしている安達さん。
ホワイトボードに書き込まれるその文字に見とれてしまう。



美しい人は字まで美しい。
なんて世の中不公平なんだ。



自分の資料に目を移すとメモを取ってる自分が書いた丸文字が目に入って急に恥ずかしくなった。



安達さんは玉森さんと同期だ。
だから25、6歳。



すごく大人っぽくてかっこいい。
私があの歳になった時、安達さんみたいな大人の雰囲気を持てるかといえば絶対そんなわけないなって思う。



そして。









北山部長が彼女と別れて
(すなわち、北山部長のお家にお泊まりさせてもらって)
三ヶ月･･･経っている。



季節は夏から秋に移り変わろうとしている。
北山部長の心も、元彼女さんから安達さんへ移り変わってやしないかい？





ほら、ミーティングが終わって
皆が出て行ったかと思いきや
二人きりでなんか話してるじゃん･･･
何あの二人。お似合いすぎるんじゃないのっ？！







「耳たぶー、園田ちゃーん、」


「玉森さん、やめてください、」


「･･････北山部長、見てたの？」





身を隠すように会議室の中をガラス越しに見ていた私の視線に玉森さんは自分の視線を合わせるように私と顔を並べた。





「好きなんだよねー、園田ちゃんはぶちょーが。」


「･･･誰が見てもわかりますよね。」


「そ？園田ちゃんはみんなに可愛がられてみんなに愛想もいいからそんな皆が気付いてるわけじゃないと思うけど？」


「二階堂さんにも気が付かれましたよ？」


「あー、そうなんだ？へぇー、」





しばらくそんな話をしながら
二人して会議室の中を覗き込んでる怪しい私たち。




なんか･･･親密！
何話してるんだろう。



部長、最近ちっとも私に話しかけてきてくれないな。



やっぱり、お泊まり大作戦は大失敗だった。



引かれたんだ、ドン引きされたんだ。



でも、あの時の部長のお部屋のいい匂いと
部長が貸してくれたふかふかなベットの気持ちいい感触
(もちろん部長はソファで寝た。私がソファでって言い張ったのに。なんなら一緒にって言い張ったのに)


お風呂上がりのほかほかな部長。
濡れた髪、意外と筋肉が付いた体



私に笑いかけてくれるあの時の部長は








「いったいなんだったの･･･、」


「ん？耳たぶ気持ちい？」


「やめてください、玉森さん。」








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