魅惑的ミルフィーユ

※ ページ40

帰りの車の中
なぜか園田の元気がない。



どうやら異性限定でアンケート取らせたのが負担だったみたいだ。
おまけに俺が好きで女性担当になったみたいな言い方。



ナンパって。
なんだそれ。


園田は頭に血が上ってるみたいで
心配になってそこのコンビニの駐車場に入る。



まさか？
嫌な予感が頭をよぎった。





「･･･変なこと言われたりされたりした？」


「さ、されてませんけど！」




････良かった。
稀にあるから。変なやつに捕まること。



でもそれならなんでそんなに怒ってんだ？




「園田がそんなこと言うなんて意外だわ。おまえ、男ウケいいじゃん。弄られても受け流すのもお手の物だろ？そんなノリでアンケートも上手くできるんじゃないかって思ってたから。」


「私、男ウケなんて良くないです！私は！私はっ、北山部長が･･･っ、」




俺が･･････？



無理やり男性担当にさせたのが良くなかったか。
効率考えすぎてこいつの気持ち考えてなかった。
しかも男ウケ、とか言葉に刺があるよな。



ちょっとお互い頭冷やしたくて
車を降りてコンビニに入った。



缶コーヒーを手に店を出ると
明らかに落ち込んでるみたいな園田に悪かったなって反省した。





「ほら、飲め。」





車に乗り込んでコーヒーを渡した。
怪訝そうにその缶コーヒーを見つめてる園田。





「いらなくても飲め。落ち着くから。」





そう言うと素直に受取ってプルタブを開けてる。





「ごめんなさい、変な、こと、言いました。」


「ん、俺の言い方が悪かったなら謝る。」


「そ、そうですよ、なんですか？私がすごく男慣れしてるみたいな言い方っ、」


「ふはっ、そうだよな。そんな事思ってるつもりねーよ。」


「･･････笑うとこですかそれ。」





いつもの調子に戻ってきたみたいだ。
こいつとはこうやってなんてことない話をずっとしていたいよ。




男慣れ、な。
してるわけない
わかるけど





「でも、おまえ、男と距離ちけーじゃん。玉とかさ。いっつもじゃれてるイメージ。」




ここで、今まで溜め込んでた俺の嫉妬心が小さく爆発した。





「なんでそーなるんですか！」




怒ってるみたいだけど。
社内恋愛禁止じゃないし
はっきり聞いておいた方がいいかも。





「つか、玉と付き合ってんの？」





自然なフリをして
ずっと聞きたかったことを聞いた。



でも園田はそのまま黙ったまんま、前を向いていた。

※→←※

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す