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「イト、」
へ？
宏光の口から出てくる懐かしい呼び声。
「どうしたの？急に。」
「俺も皆と同じようにそう呼んでた頃があったんだよな。」
「ふふっ、そうだよ。まさか宏光に名前で呼ばれる日が来るなんて入社当時は考えもしなかったよね。」
「わかるよ、皆が言うみたいに、愛すべき愛称、だもんな。イトって存在がほっとするっていうか、」
「･･･ほんとにどうしたの？宏光、」
「もうすぐじゃん？異動。」
ゆっくりと私の肩を引き寄せながら
宏光の目が不安気に揺れてるのが分かって胸が苦しくなった。
「ほんとは、行かせたくないって言ったら怒る？」
「･･･怒らないよ。」
「崎本部長の前で、おまえはまだ前の伊藤のまんまじゃん。それが怖い。」
・・・私の考えてる事と同じこと、思ってる宏光にドキッとする。
けど、私の不安を悟られる訳にはいかないから。
「大丈夫だよ。私はもう北山なんだし。宏光の嫁なんだからね？」
笑顔を作って宏光を見上げると
作り笑顔でそうだけど、って自信なさ気な宏光に胸が痛い。
そんな顔しないでよ。
もっとドーンと構えておまえは俺しかいねーだろ？っていつもみたいに偉そうに言ってくんなきゃ私の自信もなくなって行ってしまいそう。
でも、相沢さんと同じ課に行く宏光に私が面白くないと思う気持ちとはまた違うんだろう。
ちゃんとしなきゃ。
崎本部長との間に、前の感情を一切持たないように、ちゃんと。
「宏光、好きだよ。」
ぎゅっと首元に抱き着くと何も言わず宏光の腕が背中に回ってきて抱き締め返してくれる。
大丈夫だよ。
大丈夫。
そう言い聞かせてると
腕を離した宏光に見つめられる。
･･･大丈夫だよ。
目線で宏光にもう一度伝えると
宏光もうん、と優しく頷いてくれる。
ゆっくりと唇が押し当てられてそれがどんどん深くなって･･･、
やっぱり大丈夫。
宏光が大好き
このキスもこの温もりもこの匂いも
大好き、っていう事に変わりない。
だから、私達は、大丈夫。
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haru070917(プロフ) - ありがとうございます。でも北山夫婦のこれからも知りたいかなまた書いて下さい (2020年1月20日 21時) (
レス) id: 6044a23124 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - あやかさん» 本編読み終えて下さったんですね！長い時間お疲れ様でした^^;ありがたいです。続編というか完全に桐谷部長のお話になるのでまた、趣向が変わるかもです。が良ければお付き合い下さいーっ♪ (2019年12月21日 21時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 完結お疲れ様でした！遅ればせながら、本編を読み終え、自分の気持ちの中でとても上がっている作品なので、また続編を書いて頂けるなんて、とても嬉しいです(^^)楽しみにしています！ (2019年12月21日 18時) (レス) id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» 素敵と言ってもらえてほっとしました。読み応えあるものを、と思っていたので嬉しいです(T＿T)こちらこそ、ずっとお付き合い下さってありがとうございました！！(^^) (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - nanacoさん» スッキリできてたー？いつもラストは難しいなって思うよ^^;nanacoちゃんもずっと読んでくれてありがとー！スピンオフもよろしくね♪ (2019年12月21日 13時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haru
| 作成日時：2019年11月23日 20時
