５ ページ5
・
早く行かなきゃってなぜか気ばかりが焦って
すぐにカバンを持って立ち上がると北山が私の腕を取った。
「･･････おまえ、今行ったらもう、抜けらんねーぞ？わかってんのか？」
まっすぐ見上げられて思わず目を逸らしそうになったけど耐えた。
「うん。わかってる。」
ほんとはわかってなんかない。
今日、また会ってみないとわかんないじゃん。
今夜は好きだと言ってくれるかもしれない。
彼女になってって言ってくれるかもしれない。
私はそれを期待して、三度目になる沢村くんのアパートまで辿り着いて階段を上る。
ドアをノックするとすぐに扉は開いて
沢村くんが出迎えてくれた。
早いじゃんって、微笑んで抱きしめられたら
やっぱり急いで来て良かったってほっとする。
そのままベットに連れてかれて服を脱がされて･･･
心の隅で、今日も何も言ってくれないのかって落胆するけどもうその気持ちには蓋をした。
だって、目の前の沢村くんは今、私だけを見てるから。
・
それからの私は沢村くんと飲みに行った帰り
彼の家にお泊まりする、という”デート”をしていた。
このお決まりコースで、他にどこか二人で行く、なんて事はなかったけど、私は幸せだった。
いつ誘われても泊まれるように、私は沢村くんの最寄り駅のロッカーに常にお泊まりセットを置くようになった。
彼の家に、置いといていい？とは聞けなかった。
その頃の私は、もう沢村くんの彼女になる事は半ば諦めていたから。
彼女でもないのに私の荷物を置くなんて図々しい事は出来ない。
季節は巡って沢村くんと関係を持って一年が経った。
沢村くんとの事は、当初は北山を始め
仲のいい子からは反対しかされなかった。
でも、もう一年も過ぎると、誰も何も言わなくなる。
触れてほしくないオーラを出してる私がいるからだろうとも思うけど。
「な、沢村のどこがそんなに好きなわけ？」
・・・北山を覗いては。
こういう時、彼は空気を読んだりしない。
むしろぶち壊してくるタイプだ。
そんな北山の事、別に嫌いじゃないけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Haru(プロフ) - にかみつばさん» みっくんの長年の恋がようやく実っての、完結でした。そう言って頂けてありがたいです！また他作品、遊びに来てくださいね！ありがとうございます(^^) (2020年5月25日 14時) (
レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - みっくんの恋が報われて嬉しいです。もっともっと読んでいたかったです。 (2020年5月25日 12時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» ありがとうございますー！みっくんの長年の口説きにようやく落とされまして無事完結致しました(笑)そうですよね、私ラブラブがなかなか書けなくてすぐ終わりにしてしまう悪い癖が(笑)他作品もよろしくお願いいたします♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» さっこさんもいつもコメントありがとうございます！番外編。。ちょっと今は考えられないですがそう言って頂けるのは幸せです。また読み直して下さるとは。。ありがたいですーっ、他作品も頑張ります♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます！女は愛される方が幸せ。。まさにこの物語がそうですよね。それが北山さんなら。。言う事ないのですが(笑) (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Haru
| 作成日時：2019年9月29日 8時
