検索窓
今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:237,218 hit

15 ページ15





















そう思ってたのに
沢村くんに居着いてる女はまだまだ私の居場所を陣取ってるみたいだ。


仕事帰り、また沢村くんに勇気を出して聞いてみる。






「ね、また会いたいんだけど。」


「は?無理っしょ。・・・ってあれ?言ってなかったっけ?俺、彼女出来たんだけど。」








・・・・・え?









「・・・か、彼女って?今一緒に住んでる人?」







声が震えるのがわかる。
一瞬にして頭が真っ白になって目眩がしたけど
この事実を知らなきゃ、と必死で足に力を入れた。







遠くの方であっさりと、そうだよ、と聞こえてから
いつの間にかもう、沢村くんはいなくなってた。








彼女、にしたんだ。
なんだ、沢村くんって特定の子と付き合ったりするんだ。
そんなの鬱陶しいんだと思ってたのに
しかも、東京まで追いかけてくるような重ための女なんかを彼女に・・・?
なにそれ、
じゃあ、私だってわがまま言って家に居着いたら
もっと早く彼女にしてくれてたんじゃないの?
私が変に遠慮したから、
だから私よりその女を選んだの?
だったらもっと、もっと図々しくなれば良かった、
そうすれば、今頃、私が沢村くんの彼女だったのに・・・、
どうして?
どうして、私よりその女の方が良かったの?
何を間違えたんだろう?
何がその女と違う?
・・・・・・どうして・・・?







「・・・はら、上原、」






頭が混乱しておかしくなりそうで
オフィスに突っ立ってる私に声をかけてきたのは北山みたいだ。






「・・・・・・きたやま、」






「おまえ、大丈夫か?」






ここはオフィス内だっていうのに
北山は私の肩を抱いて足早にどこかに行ってるみたいだ。



私は整理しきれない現実が受け止められず
北山にされるがまま、気がついたら医務室のベットの上で泣いてた。









「ちょっと横になれ。」





わからないわからない。
もう喋る気力もなくて北山が私を布団の中に押し込むからそのまま横たわった。





私の手を北山が握ってくる。




「手、冷たっ、」



そう言って両手で私の手を包み込んでくるけど
そんなのどうでも良くて
っていうか一人になりたくて泣きたくて
でも北山がいるから大っぴらに泣けなくて
ただ、滲んだ視界でひたすら北山の手をじっと見つめてた。






16 北山side→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (433 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1330人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Haru(プロフ) - にかみつばさん» みっくんの長年の恋がようやく実っての、完結でした。そう言って頂けてありがたいです!また他作品、遊びに来てくださいね!ありがとうございます(^^) (2020年5月25日 14時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - みっくんの恋が報われて嬉しいです。もっともっと読んでいたかったです。 (2020年5月25日 12時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - りーちゃんさん» ありがとうございますー!みっくんの長年の口説きにようやく落とされまして無事完結致しました(笑)そうですよね、私ラブラブがなかなか書けなくてすぐ終わりにしてしまう悪い癖が(笑)他作品もよろしくお願いいたします♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - さっこさん» さっこさんもいつもコメントありがとうございます!番外編。。ちょっと今は考えられないですがそう言って頂けるのは幸せです。また読み直して下さるとは。。ありがたいですーっ、他作品も頑張ります♪ (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - みちこさん» ありがとうございます!女は愛される方が幸せ。。まさにこの物語がそうですよね。それが北山さんなら。。言う事ないのですが(笑) (2020年2月25日 16時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Haru | 作成日時:2019年9月29日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。