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１８ 玉森side ページ18

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｢玉森っ、｣




お待たせって俺に手を振りながら歩いてくるA。



ヤバい可愛い綺麗
会社とは違う髪型に服装に靴にカバン。



思わず見とれてしまってAを凝視してしまってる。






｢玉森？どした？｣



｢あ、なんでもない。行こっか。｣





フリーズしてる場合じゃないわ。
でも、メイクまでいつもと違うAにドキドキがヤバい。





｢玉森って、そこに立ってるだけで絵になるよねー。モデルさんかと思った。｣





足、長すぎない？って、自分の足と比べながら歩くA。



それは、褒められてるんだろうけど
Aにとってそんな俺が男として見られるかどうかってのは別問題だから特別嬉しくはない。





｢Aも今日私服可愛いじゃん。俺に会うから張り切ってくれたの？｣



｢え！？特別そういう訳じゃないんだけど･･･、ってなんで玉森と会うのに張り切るのよっ、｣




可笑しそうに笑ってるけど
そこ、全然笑うとこじゃねーし。



わかってはいるけどあからさまにそう言われるとちょっとムッとしちゃうのは俺の悪いとこだ。
直さなきゃだな。




予定通り映画を見て
ブラブラとウインドウショッピングをしてる俺達。




やっぱりAといると俺は自然と笑えるし楽しいし、何も気負わなくていいんだ。



特別な会話なんて無くてもこのAとの空気感が居心地がいい。




･･････ってそれじゃダメか？
いつもの俺達と変わんなくて
満足して嬉しいの俺だけじゃん！





｢ねぇねぇ？玉森、見てこれっ、｣





・・・俺、だけじゃない？




これ可愛くない？って雑貨屋のマグカップを手に取るAも俺といて自然体じゃん。




俺は今の自分をそのまま受け入れてもらって
Aと付き合いたい。だから変に無理しないって決めた。





｢よし！それ買お！お揃いにしよ？｣



｢へ？誰と？｣



｢俺と！｣





なにそれ？って言いつつも、ちょっと面白いね、って笑ってAはピンクの水玉模様のマグカップを俺は黄色の色違いを手に取ってレジへ向かった。





断固支払おうとするAを無視して
勝手に金を置いて会計を済ませた。




袋は別々に入れて貰う。



俺の家のキッチンカウンターに
このマグカップを並べて置く景色を想像しながら紙袋を二つ手に取って店を出た。

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