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１５ 玉森side ページ15

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俺が二階堂より何が有利って、帰りの路線が同じ所だけ、だと思う。



Aが、先に降りるまでの五駅。



約２０分のこの時間、無駄に出来ない。



二人で吊り革を持って並ぶ。






｢ね？玉森？土曜日は玉森と予定あるって事にしてミツに断るよ。｣




･･･そう来る？
俺と一緒に過ごすのもそんな嫌？



いつもの俺ならきっとそっかって仕方なく納得してたと思う。
でも、もうAは彼氏と別れたんだから。






｢そんな事言わずにどっか行かない？映画見たいのあるって言ってたじゃん。｣



｢･･･だけど、せっかくの休みを玉森に付き合わせるの悪いよ。｣





そっち？
本気で気使ってる？






｢俺も暇してたからさ？いいじゃん。･･･それにA、休みを一人で過ごすの、辛くない？｣





卑怯だけど、Aの寂しさに付け入る。
じゃないと同期以上に見てもらえる事なんてこれから先ないんじゃない？



確信を付いたみたいでうーん、って悲しそうな顔をするA。その寂しさ、俺で埋めさせてよ。






｢ほんとはね？ミツから誘われて、これで一人でいなくていいやって思っちゃってたんだ。でもミツとなんて気使うし。･･･玉森がいてくれるんなら嬉しいな。｣





・・・かわいすぎるだろ。




元々、二階堂には甘えるような事をよく言ってたけど
俺といられる事が嬉しい、とか直接言われるとか、もう気持ちめちゃくちゃ舞い上がってる。






｢･･･いいの？玉森。｣


｢もちろん！｣





まだ申し訳なさそうにしてるAにこのまま好きだよ、なんて言ってしまいそうな自分を抑える。



でもこんな所じゃダメだし。



今日は火曜日。



土曜日まで待ち遠しいけど
とりあえずミツより二階堂より先に俺が告白するんだ。



きっとすぐいい返事なんて貰えないだろうけど。



でも、一番に俺を意識して？



俺がどれだけAを好きかって伝えるから。



それからゆっくりと俺を見て欲しい、
男としての、俺を。






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