中紅花の恋ーnakakurenai no koiー

３２ 藤ヶ谷side ページ32

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｢綺麗だね〜、｣


｢そうだな。｣





寝転がってすぐは
流れ星がびゅんびゅん飛んでて二人であっち流れた！とかあっち見て？！とかひとしきり興奮したんだけど。



こんなにずっと流れてちゃありがたみも薄れるってもんだ。



もうすっかり見慣れた流れ星を目にしながら
しばらく無言で桜子と夜空を眺めてる。






｢Aとミツ、くっついたんだよ？｣




すげー静かな空気からいきなりの桜子の言葉で一気に体を起こした。




｢えっ？いつの間に？そんな事なってたなんて全然わかんなかったわ。｣




Aちゃんはどっちかっていうと地味目だけど可愛い。
バスケやり出すと途端はつらつとしちゃう所なんか、そのギャップにやられてるバスケ部員も多いはず。





｢でも、北山だとは想像もしてなかったな。｣



｢そうでしょ？やる時はやるよね、あの二人も。｣



｢･･･つーか、北山は桜子だと思ってたんだけど、俺。｣



｢･･････そんな訳ないでしょ。｣



｢そ？一番仲良いの、北山じゃない？｣



｢･･･ミツは、気が合う友達ってだけ。｣





俺の問い掛けに何故かどんどんと声が小さくなる桜子の顔を覗き込んだ。






｢っつか、どした？気分でも悪い？｣



いきなり暗い表情になってて途端心配になる。






｢･･･がう、｣



｢えっ？｣



｢違うよっ、｣






いきなり大声でそう言ったかと思うと俺の目を凝視してきた。






｢･･･桜子？｣



｢私は、わたしはっ、ずっと出会った時から藤ヶ谷くんが好きなんだよ？｣









・・・・そうだった。





なに油断してデリカシーの無い事聞いてしまったんだろう？
こんな告白されるなんて本当に思ってなかったからどう返事していいかって頭を悩ませる。




｢あのさ、桜子、｣
｢あーっ、言っちゃった。｣




またゴロンと寝転がる桜子の顔を見る事が出来ずに俯いてしまう。




｢なんだかね？ミツとAの嬉しそうな顔見た後だったから便乗しちゃった。｣



｢･･･そう｣



｢でも、伝えられて良かった。マリエさんと仲良いのはわかってるから。邪魔するつもりなんてないし、これからも変わらずよろしくね？｣







・・・全部言わせちゃってんじゃん。
俺より男前になんなくていーって。




色々思う所はあるけど
でも彼女持ちの俺に言える事なんてやっぱり何もなくて。




｢いきなり態度変えてきたりとか無しな？｣



なんて、そんな返事しか出来なかった。

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