中紅花の恋ーnakakurenai no koiー

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大学生ってキラキラなイメージだった。




地方出の、地味な女子高生活を送ってた私にとって
共学の、しかも憧れてたA大学のキャンパスは
もうドラマの中の世界のような、異空間。



ほんとに勉強ばっかしてきた甲斐があった、っていうか。



ドキドキ半分、不安半分。




出会ったばかりで意気投合した同じゼミの桜子と
今のサークルの新歓コンパに誘われた時



あの日から気が付いたら私はミツに惹かれてたんだ。








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＿＿＿＿＿＿＿＿四年前









｢ねね？今日暇？｣



｢･･･暇、だけど。校内でナンパ？｣



第一印象、なんだ、こいつ。



ベンチの隣りに座ってる桜子があしらう様に言ってそっぽ向いてる。




｢ナンパ？ちげーしっ。今日夕方からさ？このサークルで新歓コンパあんのっ。学内の奴ばっかだし。行かね？｣




手書き印刷のチラシを渡されて思わず受け取ってしまう。




なんだか必死過ぎる誘いに
男子に免疫が無かった私はどうしていいか戸惑って桜子の顔をチラ見。



桜子もどうしようか？って顔してる。







｢おい、北山、なんだその誘い方。新手のナンパじゃねーかよっ、｣




ごめんね？って片目を瞑って手を合わせてるこの人。
さっきこの辺りにいた女の子達と話してた人が突然現れた。





｢だからナンパじゃねっつの！だってさー？俺達だけで三十人集めてこいってなかなかのハードルじゃね？｣




そう言いながらその彼の方を向いた北山って人、ぎょっとしてる。






｢･･･俺は今んとこ十人来て貰える事になったから。あと二十人ね。｣




よくよく見ると彼の後ろには女の子達がゾロゾロと付いてきてた。





｢マジかよ、馬鹿らしくてやってらんねーわっ。全部藤ヶ谷が誘えばいいじゃんっ、｣




｢･･･なに仕事放棄してんの？俺はあと五人でノルマ達成だから。もうちょい声のかけ方考えて出直せ。｣



｢えっ、ちょっと待てって、俺一人で十五人は無理だってっ、｣




焦って藤ヶ谷って人に詰め寄ってるのに
かるーく無視して、女の子達にじゃあ待ってるね〜って手を振ってる藤ヶ谷、さんはなかなかのやり手って感じ。







｢･･･私、あの男の人いるなら行こうかな、｣



｢えっ？！｣



｢だって、あんなかっこいい人拝める事なんてないよっ？｣



確かに、背も高くてオシャレで
･･･でもなんだかちょっと怖そう？



モデルさんみたい。



大学生活三日目にしてすごいイケメン見ちゃった。

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