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ここまで徹底的に大神Aの存在を隠したのには理由がある筈で、一体誰から存在を隠していたのか。
そんなものは大神の思考の中で疑問にすら浮かばず、即座に理解した。
その誰かとは、自身の父であると。
『……そうか、』
そうであれば、大神は父に黙って家を空けていたことになる。3年前、どのような過程で家を飛び出したのかは知らないが、その過程を経て帝国学園に転がり込み、父に見つからぬように息を潜めた。
未だに思い出せない部分は多いが、これが客観的な事実であろう。父の同意の元で帝国学園にいたのなら、ここまで大掛かりに大神Aを隠す必要は無いのだ。
「大丈夫……ですか？」
やけに神妙な面持ちだったのか、それともしばらく黙っていたからか、土門に心配そうな顔で覗き込まれる。
そんな彼に思わず笑みが零れて、強ばっていた体の力が抜けたような気がした。
『何度も心配させて悪いね。』
情報から目を離して、それを鬼道に委ねる。
「……もう、宜しいのですか。」
『はい、もう宜しいです。』
再び鬼道が操作し始め、暫くして画面は光を失った。
_____
帝国学園を出て別れようとするなり、鬼道は送りますよ、と突然言い出し、大神の帰路に足を進めようとしていた。
『本当に気にしないでくれ、帰ることくらい出来る。』
「
妙に強調した物言いであった。
『皮肉っているねぇ！』
何度も送りはいらないと言いはしたが、その訴えは7回を超えた。説得は無意味であると断念し、諦めて帰路に足を進める。大神を筆頭に、その後ろは2列に鬼道と土門も並んで歩き始めた。
彼らがわざわざ労力を使って家に送り届けてくれる事は良いのだが、大神には気づけば後ろにいる、やけに過保護な佐々木という男が居る。
呼べば即座に飛んでくるのだし、鬼道や土門が居なくとも、帰路の途中で倒れた時にはきっと佐々木が何とかするだろう。
そう考えれば、鬼道たちが良くとも、大神が後ろめたいのだ。
『……佐々木さん。』
佐々木を呼ぶ。
…………。しかし、返事がない。
そう言えば、いつも聞こえてくる筈の足音が聞こえない。
『佐々木さん？』
結局、何度呼んでも返事はなかった。
あれだけ言っても離れなかった佐々木があっさりと帰った事が驚きであったが、気が変わることもあるだろう。
家に戻った、きっとそれだけだ。
……それだけ、だよな？
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鷹羽(プロフ) - コメントありがとうございます~!!!好きと仰っていただけて感激です^^ノロノロペースではありますが、更新させていただきます！ (2021年7月15日 18時) (
レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
名前はまだない - コメント失礼しますm(_ _)m 主人公の設定とかめちゃくちゃ好きです！！鷹羽さんのペースで頑張ってください！更新待ってます！ (2021年7月14日 19時) (レス) id: 567784a46c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年3月30日 1時
