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「お前たち、なんだそのザマは!」
雷門OBや雷門イレブンの視線が、声の主に集まる。
「俺たちは伝説の“イナズマイレブン”なんだ。そして此処に、その伝説を夢に描いた子供たちがいる。」
“イナズマイレブン”キャプテン、響木が喝を入れるべくして語った。
「俺たちにはその思いを背負う責任があるんだ!その思いに応えてやろうじゃないか、本当の“イナズマイレブン”として!」
雷門OBの顔は次第に口角が上がり、威厳に満ち溢れた表情で背筋を伸ばした。
「俺は……俺たちは……!」
「「「無敵の“イナズマイレブン”!!!」」」
大人たちの重く、凛々しい声が揃う。先程までは考えられない気迫を、重圧を、雷門イレブンは感じ取った。
再び結束した元祖“イナズマイレブン”。その実力は確かなもので、雷門イレブンが攻めても破れず、攻められれば破られた。
「さぁ、浮島!見せてやれ!!」
響木からボールを受け取った浮島は、備流田と共に前線へ駆け上がり、2人で同時にボールを蹴りあげる。追いかける様に飛び上がると、そのボールを蹴った。
ボールは炎の翼を纏い、大きくうねってゴールに向かう。円堂が伸ばした手は届かず、ゴールネットを揺らした。
『……お見事。』
「さっきとまるで違う、これが“イナズマイレブン”なのか……!」
“イナズマイレブン”のサッカーに呆気に取られ、雷門イレブンは呆然とゴールを見つめた。
倒れたままの円堂は転がったボールを見ると、目を輝かせて顔を上げる。審判役の鬼瓦の元へと駆け寄った。
「審判さん、タイム!タイムお願いします!!」
「サッカーにタイムはないぞ。」
「だいッじな事なんです!」
円堂の様子に鬼瓦は微笑ましく思いながら、その要求を呑む。円堂は雷門イレブンに声を掛け、ベンチに皆が集まった。
「あったぞ、“炎の風見鶏”だ。」
円堂は祖父のノートを開き、とあるページを見せた。相も変わらず字は読めず、円堂が読み上げれば内容もまた語彙のない文で皆が苦笑する。
『スピードがびゅーん、ジャンプ力がびよよ〜ん……これはまた難解な。』
だが、今回は手本がある。以前よりは感覚を掴みやすいだろう。
「スピードとジャンプか……陸上部の出番だな!」
風丸が自身を指しながら名乗り出れば、円堂も適任であると頷いた。
「もう1人は……大神、お前だ!」
『え?』
突然の指名に不意打ちだと言わんばかりに目を見開いた大神。円堂は歯を見せて笑うと、固まった大神の背中を叩いた。
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鷹羽(プロフ) - 雪華さん» 詳しく知っているアニメはあまり多くないのですが、上げるとするなら、このイナイレであったり、ジャンプコミックスのアニメ化した作品あたりを知っています。 (2021年3月6日 16時) (レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月6日 13時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鷹羽 | 作成日時:2021年2月26日 12時