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「シュートを打ってはいけません!」
目金の声に、シュートを打つ為脚を上げていた染岡は止まる。そのまま秋葉名戸中のカットが入り、ボールは外へ出された。
「見破ってしまいましたよ、シュートを決まらなかった訳を!!」
土煙が収まり、目金の声がする方へ目が向けられた。そこでは、秋葉名戸中の3人がゴールをずらしている光景。
「これが君たちの勝ち方ですか!」
目金が必死に訴えかけた、これが秋葉名戸中の勝ち方なのかを問うた。だが、秋葉名戸中の選手たちには届かない様子。
「勝てば良いのだよ、勝てば!」
『……』
勝てば良い、ときた。どんな方法を使おうと、誰もは勝利という結果しか見ない。それは、この勝ち抜きという勝負において、上がってきたことだけが成果であるということ。
───完全なる勝利にのみ、価値があるのだ。
『……ッ、』
───お前も、それは理解しているだろう。
『……誰だ……?』
呪いの様に、誰かの声が頭に響く。
完全なる勝利、それに価値があることは大神にも理解出来る。客観的に見ても、圧倒している方が強く、素晴らしいものだと認めよう。
だが、過程において正々堂々としたものであればという話である。
であれば、完全なる勝利とは何か。
小細工をしてまで、確実に勝利を掴むことが完全なる勝利と言えるのか。
『……言えない、君はそう言うだろうな。』
───円堂。
暫くして落ち着き、大神は意識を戻して試合に目を向ける。その頃には、既に目金の怒涛の説教とドリブルによってゴール付近にまで進んでいた。秋葉名戸中の選手たちは、目金の説教により既に意気消沈。
「染岡くん、“ドラゴンクラッシュ”を!
僕に考えがあります!!!」
「……ッ分かった!」
目金の確信めいた顔付きに、染岡は素直に頷く。“ドラゴンクラッシュ”は、真っ直ぐゴールの真ん中へと向かっていった。
「“ゴールずらし”!」
秋葉名戸中のGKにより、ゴールがずらされた。本来ならば向かうはずのゴールには、このままでは入らない。そこで、目金は“ドラゴンクラッシュ”に突っ込み、顔面に当てることでボールの軌道をずらしてゴールして見せた。
「これぞ、“メガネクラッシュ”……!」
スコアは1-1の同点、巻き返すチャンスは来た。
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鷹羽(プロフ) - 雪華さん» 詳しく知っているアニメはあまり多くないのですが、上げるとするなら、このイナイレであったり、ジャンプコミックスのアニメ化した作品あたりを知っています。 (2021年3月6日 16時) (レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月6日 13時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鷹羽 | 作成日時:2021年2月26日 12時