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「すまん。」

「気にすんなって、準決勝は俺たちに任せとけ!」

豪炎寺は御影専農戦の下鶴との衝突により負傷、当然部活より病院を優先された。雷門中サッカー部は豪炎寺の乗ったタクシーを見送る。

『……それじゃあ、円堂。』

「そうだった、お前も今日は帰るんだったな!」

大神が声を掛ければ、円堂は思い出した様に頷いた。その場の全員が首を傾げる中、風丸と円堂は励ますように肩を叩く。

「何かあったら連絡しろよ。」

『ああ、終わったら一応連絡入れるよ。』

「また明日、サッカーやろうぜ!」

『また明日、皆もまたね。』

手を振りながら大神はその場を後にする。サッカー部には、事情を知っている円堂と風丸が上手く誤魔化してくれるだろう。

『……思い出すんだ。』

大神は病院へと向かっていた。今日はカウンセリングの日、皆からは「今日は落ち着きがないね」と言われていたが、理由がこれだ。

使用人の迎えは呼んでいない。なるべく歩いて時間を稼ぎ、気持ちを落ち着かせたいからだ。

深呼吸をしながら歩く。

「大神の令息が1人でこんな所を歩いているなんて、不用心ではありませんか。」

ふと、人の気配がした。

『……君は……』

酷い耳鳴りがし始めた。

声のした方へと振り向けば、ドレッドヘアに特徴的なゴーグルの少年……帝国学園サッカー部キャプテン───鬼道有人が立っている。

たしか、鬼道財閥の養子である人物の筈だ。

大神財閥は鬼道財閥と少しばかりの縁はあるものの、大神が実際に鬼道と接触するのは初めてになる。

『あはは、貴方こそ鬼道財閥の御令息が1人で散歩ですか。鬼道有人サン。』

「フッ……まぁ、そんなところです。」

鬼道は大神の正面まで歩き、そのゴーグルの奥にある赤い目で大神をじっと見つめた。

『……何か?』

「……大神A。」

『?……はい。』

「……これが、貴方の名前なんですね。」

『そう、ですが?』

鬼道は噛み締めるように大神の名を呟く。大神はこの現状に、ただひたすらに困惑した。

『……ッ?』

耳鳴りと相まって、頭痛すらも始まる。

しかし、その痛みすら気にならない程に、鬼道から目が離せなくなる。

───この人間を、どこかで見た気がする。

鬼道と脳裏に浮かんだ誰かが、重なった。

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鷹羽(プロフ) - 雪華さん» 詳しく知っているアニメはあまり多くないのですが、上げるとするなら、このイナイレであったり、ジャンプコミックスのアニメ化した作品あたりを知っています。 (2021年3月6日 16時) (レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月6日 13時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鷹羽 | 作成日時:2021年2月26日 12時

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