検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:31,291 hit

23 ページ24

ゴールポストにボールがぶつかり、激しい音が響いた。フィールドに転がっているボールの数々、その中に染岡が立っていた。

「くそッ、くそ……くそッ……!!」

染岡はその場で膝をつく。額に伝っていた汗は、フィールドの土に溶けた。

「染岡、頑張ってるな!」

「ッ……円堂……」

染岡は立ち上がり、雷門イレブンを見やる。その顔は悔しさと、上手くいかない現状に苦笑する表情だった。俯き、自嘲する。

「へッ……上手くいかねぇよ。何か行けそうなのに、全然ゴールが決まらねぇ……これじゃ、ストライカー失格だな。」

「……」

円堂は顔を険しくさせる。円堂はフィールドから染岡を連れ出し、河川敷の斜面に座らせていた。

『……さ、僕らは取り敢えずウォーミングアップだ。走れ〜!』

大神の声に、1年生は元気よく「お〜!」と返事をする。2年生を先頭に、その後ろは1年生がついて走った。

「染岡、円堂と話し合って気持ちが落ち着けばいいけど。」

『まぁ、多分何とかなるさ。円堂なら、染岡くんが必要とする言葉を与えてやれるさ。

それより、走り込み中のお喋りは舌を噛むよ松野くん。』

「俺は器用だからそんなヘマしないよ。」

大神は染岡と円堂に目を向けた。染岡は立ち上がり、拳を高く突き上げている。表情も先程の様に暗いものではなく、自信がついたような笑みだ。

『あはは、見てご覧。いい顔してるよ、染岡くん。』

「走り込み中のお喋りは舌を噛むんじゃなかった?」

『僕だって器用だから、そんなヘマしないさ。』

大神と松野は顔を見合わせて笑った。その後、円堂と染岡も走り込みに参加する。終わってストレッチ、そしていつも通り練習が始った。

24→←22



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鷹羽 | 作成日時:2021年2月19日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。