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ゴールポストにボールがぶつかり、激しい音が響いた。フィールドに転がっているボールの数々、その中に染岡が立っていた。
「くそッ、くそ……くそッ……!!」
染岡はその場で膝をつく。額に伝っていた汗は、フィールドの土に溶けた。
「染岡、頑張ってるな!」
「ッ……円堂……」
染岡は立ち上がり、雷門イレブンを見やる。その顔は悔しさと、上手くいかない現状に苦笑する表情だった。俯き、自嘲する。
「へッ……上手くいかねぇよ。何か行けそうなのに、全然ゴールが決まらねぇ……これじゃ、ストライカー失格だな。」
「……」
円堂は顔を険しくさせる。円堂はフィールドから染岡を連れ出し、河川敷の斜面に座らせていた。
『……さ、僕らは取り敢えずウォーミングアップだ。走れ〜!』
大神の声に、1年生は元気よく「お〜!」と返事をする。2年生を先頭に、その後ろは1年生がついて走った。
「染岡、円堂と話し合って気持ちが落ち着けばいいけど。」
『まぁ、多分何とかなるさ。円堂なら、染岡くんが必要とする言葉を与えてやれるさ。
それより、走り込み中のお喋りは舌を噛むよ松野くん。』
「俺は器用だからそんなヘマしないよ。」
大神は染岡と円堂に目を向けた。染岡は立ち上がり、拳を高く突き上げている。表情も先程の様に暗いものではなく、自信がついたような笑みだ。
『あはは、見てご覧。いい顔してるよ、染岡くん。』
「走り込み中のお喋りは舌を噛むんじゃなかった?」
『僕だって器用だから、そんなヘマしないさ。』
大神と松野は顔を見合わせて笑った。その後、円堂と染岡も走り込みに参加する。終わってストレッチ、そしていつも通り練習が始った。
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作者名:鷹羽 | 作成日時:2021年2月19日 3時