【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ15)

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「ぐッ……！！」

「出てこい！！」

帝国側に何度もボールを打たれ、その度に踏ん張る円堂。これはゴールを決めるためのものではなく、円堂をダウンさせるためのものであろう。

帝国側の的当てゲームだ、これは大神が知るサッカーではない。

『……とんだ茶番だ。』

手に力が籠る、指先は冷えて何も感じない。

「ふざけるな……こんなの、こんなの……

───サッカーじゃねぇ！！」

風丸が円堂を押し退け、前に飛び出す。円堂の代わりにボールを受け、ゴールの中に叩きつけられた。

『ッ風丸……』

円堂が風丸に駆け寄り、円堂の目付きが更に鋭くなった。もう一度シュートが打たれ、円堂は両手を前に突き出す。

───刹那、円堂は少しばかり耐えた。

先程とは違い、コンマ数秒の時間であるが明らかに踏ん張ったのだ。

しかしスコアは19-0、雷門イレブンのキックオフだが誰一人として動けない。FWのはずの目金は泣き叫びながらコートを去り、ユニフォームを投げ捨てた。

もう辞めてくれと、叫び出したかった。

君たちはもう頑張ったのだと、駆け寄りたかった。

……たが、円堂守が望むのはそんな言葉ではない。

『……ッ雷門イレブン！！！』

「えッ、先輩？」

『努力は裏切らないんだろう！！！！』

それでも足掻け、闘志の火を消してしまうな。

泥舟だろうと関係ない、崩れようともがいて足掻いて陸を目指す。

───そうだろう、円堂？

「(大神、お前の想いも……受け止めたぞ！！)」