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ドンドンドン！と勢いよくドアをノックされる音が
鼓膜に響いて目が覚めた
星 ｢Aちゃん、起きてるー？｣
｢！う、うん！いま起きた…！｣
星 ｢あ、良かった！ご飯できてるから昨日のテーブルに座っててーってママが言ってたよ！｣
｢わかった、ありがとうホシキ｣
星 ｢じゃあ先に行って待ってるねおれ！｣
声だけで分かるホシキの元気さに、ちょっぴり驚いた。
自分は朝が苦手だから、あんな風に元気に挨拶をしたことなんてなかったような気もするけど
ホシキの明るいその声に、なんだか一日分の元気を分けてもらったような、不思議な感覚。
深い藍色だった空は、いつの間にか
鮮やかに澄んだ青色へと変わっていて
私ったら、自分で言った通り本当にぐっすり眠っていたんだ。なんて思いながら
窓から差し込む眩しい光を浴びて、いつもよりぐーんと大きく背伸びをした。
｢…あ、｣
毎朝じぶんの家でそうしているように、まだ回らない頭で無意識に開けたクローゼットの扉。
思わず声が出てしまったのは、中身がハンガー数本だけで あとは空っぽだったから。
そりゃそうだ、ここは頻繁に使われているお部屋じゃないんだもの。
ナイトウェアだけど、まあいいか
昨日の夜身にまとってから、すっかり気に入ってしまったそれ。
両手で裾を広げてじっくり眺めてみたけど、やっぱり自分には勿体ないくらいかわいい。
寝起きの私の顔とは不釣り合いな幾つかのギャザーに、少しだけ恥ずかしさを感じながら
朝の空気でまだ冷たいドアノブに手を掛けた。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
