ミセス ナシゴレン【2】

71 追い追い ページ22

「弟者、おっつん、俺達正式に付き合う事になった」
「これからもよろしくお願いします」
私達は慣れない感じで報告をした。
「ホント！？マジか！兄者やったじゃん！！」
「兄者、Aさん、おめでとうっ！」
思うように落ちない私に奮闘していた兄者さん。
それを見ていた二人はよくやった、と喜んでくれた。
「てことでお前ら、あんま邪魔すんなよ」
私の肩を抱き寄せて何を宣言しとるんじゃ。
「僕達が居る所でイチャイチャするのはやめてくれませーん？」
「兄者がデレデレしてるの見たくなーいw」
「見せるか、バカ」

てことで今度から土曜はAん家に泊まろうかな、なんて言い出す。
てことで、って何ですか。
私聞いてませんし、了承もしてませんよ！？
じゃあどうやって愛を育むんだ、と聞かれたら黙ってしまうけど…。
育むって、その…そういう事だよね…！？
それは追い追いって事で…w
明日は普通に仕事なので、もう少し居たかったけど失礼しようと思う。
「んじゃA送ってくるわ」
って当たり前の様に兄者さんは二人に告げる。
「お邪魔しました」
「今度はゲームしようねー」
「Aちゃん、兄者をよろしくねー」
もう吹っ切れた兄者さんは、私を送り届けるまでベッタリとくっ付いていた。

後日2broと三人称でコラボ動画を撮る事があり、宴を開いた。
私達が付き合い始めたのを三人称側にはそこで報告した。
突然のことに驚きを隠せなかったようだ。
ドンさんは伝えてなかったみたいだね。
「俺の完敗ですわ」
それを聞いた弟者さんは空気を読んで。
「はい！カンパーイ！！！」
皆で乾杯し、やや強引にその場をやり過ごした。
まだ少し引きずっているのを悟ったぺーさんは健闘を称えている。
高校からの付き合いの二人は、お互いの恋愛も見てきただろう。
彼女無し、独身の男二人は肩を組んで酒を酌み交わしていた。

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