Nectar【川村壱馬】

35（壱馬side） ページ35

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壱馬side









翔平「おーっし！食うぞ〜！！」


慎「肉は逃げませんから笑」


翔平「まこ分かってないわ〜食うと決めたら速攻で食わなきゃ肉に失礼でしょうがっ！！」


慎「まじ意味分かんない」









振り入れが終わり、翔平と慎と飯を食いに来た









セカンドさんのツアー中は減量してて、こんな美味いもんは食わんようにしてたから…









壱「うまっ……」









白米の上にタレを付けたカルビを乗せ、包んで口に含めると、肉の旨味がじゅわぁと広がる









慎「壱馬さんてストイックですよね、ほんと」


翔平「俺は食いたいもん食っちゃうからな〜」









翔平が網の上に乗せた肉を横から取って、遠慮無しにパクパクと口へ運んでいく慎









おい、と言いながらも笑って、俺の分も慎の分も焼いてくれる優しい翔平









相変わらずの２人やなぁ、と思いながら笑う









壱「自分へのご褒美はこれくらいが丁度ええの」









物凄く頑張って、たまに貰えるご褒美でいい









それくらいの方が、特別感があっていい









何やその考え、OLの休日か！！
って陣さんに突っ込まれそうやけど…笑









慎「…まあ、食欲以外の欲は満たしてますもんね」


壱「は？笑」


翔平「お前よぉ笑
肉食いながらする話じゃないだろう笑」









ニヤニヤと様子を伺いながら、楽しそうに笑う弟達









翔平「実際…どうなんすか？その…夜の方は」









少し顔を赤らめながら、白米を口にパンパンに詰めて、モゴモゴと誤魔化す翔平









キャップを後ろ向きに被った慎に目をやると、分かりやすく目を泳がせて烏龍茶のストローを咥えた









壱「お前らなぁ…」


翔平「ひゃんっ！」


慎「シーッ！」









まだ何も言い終えてないのに、顔を両手で隠した翔平に、長い指を口元に当てて黙らせる慎









壱「いや…まだ好きとも言えてへんし…」









と言うと、目を丸くした２人の動きが止まる









翔平「それはやばいっすよ」


壱「なかなか言うタイミングも…」


慎「壱馬さん」









真っ直ぐな瞳を向けた慎









慎「Aさん、誰かに取られてからじゃ遅いです」


壱「慎…」


翔平「うん、今すぐ行く！！」


壱「…行ってくるわ」









確かにそうだ…早く伝えなければ、彼女は誰かに取られてしまうかもしれない









そう思うほど、緩い風が身体にぶつかり続けた




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