21(壱馬side) ページ21
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壱馬side
陸「セカンドさんのライブに出させて貰うのは、きっとあれが最後だったよね」
シャワー後の、濡れたままの金髪にタオルをかけ、わしゃわしゃと乾かしながら陸さんは腰を下ろす
北「そうっすね〜…これからは自分達でツアー回らせてもらえるくらいの力付けないと」
陸「だね、ボイトレもっと通お」
そう言うと、大きなブラックのソファーにどさっと倒れ込む
作詞や作曲に挑戦する環境作りの為に、共同生活から抜け、一足先に一人暮らしを始めた俺達
大人数で暮らしていた大きな家から抜けるのは少し寂しかったけど、今ではもう慣れたもので
北「うーん…俺はもっとこう、
声に芯を持って歌い込みたいな…」
陸「そうだな、そうすれば
より深くお客さんの心に響くようになるね」
北「よーし頑張ろ!!」
陸「壱馬は?どうなりたいとか無いの?」
壱「え?…あぁ、俺は…」
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……俺は、どうなりたい?
歌手になる為に高校も辞めて、色んな事を手放した
それで俺は…これからどうしていきたい?
壱「……」
全員で、ここまで全力で突っ走ってきたけど
壱「…俺は、これからも歌い続けたい
今は、そんなことくらいしか考えられへん」
明確なビジョンこそ思い浮かばない
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陸「それって一番大事な事だと思うよ」
壱「でも…」
北「後ろ向きなんて、壱馬らしくないじゃん」
壱「…せやな」
その瞬間、携帯がLINEの通知を知らせて
思い浮かぶのは、たった一人だけ
上を向いた携帯を覗き込むと
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壱「…ふっ笑」
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ぎこちない文章のそれは、一瞬で笑顔にさせる
北「Aちゃん?」
壱「おん笑」
陸「誰!?」
壱「わ、ちょっ…」
返信をしようと手に取った携帯電話を
両側から覗き込む二人
北、陸「…ふはっ笑」
壱「…面白いやろ?笑」
一生懸命打って送る姿を想像すると、また愛おしい
陸「俺壱馬のそんな顔初めて見た」
壱「え?」
陸「物凄く優しい顔してるよ?」
…そうか
彼女を知れば知るほど、きっと俺は満たされて、こんな風に、優しい気持ちに包まれていく
" なんて送るのが正解、 "
彼女の初めてのLINEは、打ちかけのそんな一言。
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蘭(プロフ) - スーさん» 初コメントありがとうございます!この作品が大好きだと言って頂けたので、これからも頑張れそうです涙 そう言って頂けると自信がつきます!是非これからの展開も楽しみにして頂けたら嬉しいです(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - hkrさん» 何回も読み直して頂けているなんて…感激です…。長い文章を書いてしまっているため、読むのが大変だと思うので、尚更感激です…涙 これからも頑張りますので、是非楽しんで頂けたらと思います(^^)ありがとうございます! (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!全て読んで頂けたなんて嬉しすぎます涙 楽しんで頂けているみたいで本当に嬉しいですし、これからも頑張りたいと思えます!是非これからも宜しくお願い致します(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 初コメントです!いつも、楽しくよませてもらってます!この作品大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月18日 7時) (レス) id: d70ff03ee4 (このIDを非表示/違反報告)
hkr(プロフ) - 更新ありがとうございます! 蘭さんの作品が好きで何回も読み直してしまいます(●´▽`●) これからも更新頑張ってください! いつも楽しみにまってます(´∀`)!! (2019年11月18日 4時) (レス) id: 6c0b67dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2019年5月26日 22時