川崎家の女の子 6th (ページ41)

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！？(通陽) ページ41

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もう受験シーズンも無事終え、午前授業になった僕の学校。

稽古場に着いたけどまだ時間があるのでちょっとウロウロしていると、ピアノと歌声が微かに聞こえてきた。

すごい力強い歌声だけど、誰が歌ってるんだろ。

音がする部屋を覗くと

通陽「Aちゃん⁉」

A「んあ! みっちー⁉」

通陽「あ、おはようございます」

Aちゃんがピアノの弾き語りをしていた。

A「おはよう
え、いつからいたん? めっちゃ恥ずかしい」

通陽「今来たところです。めっちゃカッコよかったです」

A「いやいや～。え、めっちゃ恥ずかしいんだけど」

通陽「あれって歌ってたのもAちゃん?」

A「うん」

通陽「いつもと全然違う声だから最初わかんなかった」

A「恥ずかしいね」

通陽「あ、続き歌います?」

A「いや、恥ずかしいからいいや(笑)」

通陽「聴きたいです」

A「え?」

通陽「Aちゃんが歌ってるのってあんまり聴けないじゃないですか」

A「いやいや、YouTubeとか少クラ見てもらえれば歌ってるやつあるよ?(笑)」

通陽「でも少なくないですか? そんなに歌上手いのに」

A「いやいや、こんなもんよ。
悠仁だって上手いけど同じくらいじゃん」

通陽「そうですけど
とにかく聴きたいです」

A「えー」

しばらく話していると安嶋くんが来た。

秀生「あれ、ピアノ弾いてんの?」

通陽「あ、安嶋くん。さっきまでAちゃんが弾き語りしてたのにやめちゃったんですよ
聴きたくないですか?」

秀生「何歌っての?俺も聴きたい」

通陽「今話題の「うるさい」っていっぱい言うやつです」

A「あじくんまで。いいよ、ウチの歌なんて」

秀生「何で?めっちゃ上手いじゃん
そうだよ、なんで急に歌うのやめちゃったの?
前は少クラでソロとかｍ」

A「あじくん!!」

通陽「ソロやってたんですか」

A「昔の話。
あ、ウチそろそろ向こう行くね」

そう言って荷物を持って部屋を出て行っちゃったAちゃん。

通陽「Aちゃん、昔ソロで歌ってたんですか?」

秀生「うん。入ってすぐぐらいに少クラでソロで歌ってたし、よく稽古場でも歌ってたんだけど急に歌わなくなっちゃったんだよね」

通陽「え、なんかあったんですか?」

秀生「それが分かんないんだよね
だから歌ったって聞いてめっちゃ嬉しかったんだけどな」

Aちゃん、何があったんだろ……。