198話 「押し倒せば後は余裕」 ページ5
「ねえ、左馬刻」
「あ？」
「今の電話、女？」
「………どっちでもいいだろ」
ラブホの一室。
女がシャワーに行っている間に奴に電話をかけたが、どうも途中から聞いていやがったらしい。乱数はわけ分かんねえしクソほどムカついているのもあって適当に返した。
シャワー浴びに行こうとベッドから腰を上げればすれ違いざまに女が誘うように笑う。
「ねえ、私とどっちがいい？」
「……はっ、さあな」
普段なら誘いに乗らないこともないが奴を迎えに行く先約がある。癪だが乱数の件も。
俺の返答が不服だったのか拗ねたような声音で女がつぶやいた。
「よっぽど上手なんでしょうね、その女」
「………」
そういえば、考えてもみなかった。
ガキで、実は臆病で、可愛くてしかたがない。似たような奴が前にもいた。だが今回はどうだ。なぜかすっかり意識していなかったがあいつは女だ。あのクソダボとは違う。
あの顔にスタイル、性格も悪くねえ。経験豊富かは知らないが、下手ではないだろう。いや、下手だったら下手だったで燃えるか。
まあ、そんなことはどうでもいい。
ホテル代として女に万札を数枚渡して部屋を出た。
「押し倒せば後はいけんだろ」
嫌われてはねえみたいだしな。
風呂掃除でもしてたらしい奴が戻ってきた。
俺の様子と状況を確認しているのであろう。俺の手元とテーブルの上を視線が滑る。奴が座る場所を探し出す前に指で呼べば大人しく隣に座った。緊張して固まっているのは相変わらずだが、つまみを差し出せばパクリと食べる。数回咀嚼してどうも美味かったらしく、目を輝かせる奴にもう一本差し出せばまた咥えた。あー……可愛いなクソ。
まだ食いたそうにしているので勝手に食べろと示せば三本目に手を伸ばしている。
何気なく肩を引き寄せて頭から首筋までを撫でる。
もとより撫でられるのが好きなこいつは気持ちよさそうに目を細めながらももぐもぐとチータラを食べ続けている。嫌がってはねえな。
「酒飲むか？」
『あ、いえ。大丈夫です』
「そーかよ」
そーいや、コイツが飲んでるところ、一回も見た事ねえもんな。
さて、そろそろいいか。
耳朶に触れ、耳の背を撫でれば大げさに身体を跳ねさせるA。ジト目で見てきているが確定だろう。理鶯が以前言ってやがったように、くすぐったいのに弱いらしい。
耳の穴に指を突っ込んでくすぐればさっきよりも大きく反応した。
『ひゃんッ！』
……へぇ、こりゃあまた。
随分可愛い声を出すじゃねえか。
199話 「侵入経路＝脱出経路」→←197話 「524！！」
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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています(￣▽￣)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください！応援しています。 (2019年6月3日 18時) (
レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます！楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます！毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください！ (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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